大阪ただいまー 初の弾き語りツアー中の矢井田瞳が熱唱
リラックスして心のままに楽しんでいただけたら
──セットリストも自由だったり? せっかくの弾き語りやし、かちっと決めないでその土地土地で感じたこととか、“きょうは雨が降ってるから雨の歌やろう”とか。その日にしかできないライブになればいいなと思って。 会場が全部雰囲気が違うので。地下にあるライブハウスみたいなときもあれば、神戸のオサレな……港でガラス張りみたいな所もあれば、カフェや、酒蔵の中でみたいなときも。場所が変われば楽しい。まあ本番前の楽屋が寂しいくらいで(笑)ぽつんと……。 ──ひとりで弾き語りということでめっちゃ練習されたのでは。 単にコード譜みて自分で作った曲を弾いて歌う、そういうのにしたくなくて、ちゃんと来てくれた人がギターとピアノと歌でいろんな気持ちになったなって思ってもらえるようなものにしたかったので、ギターアレンジとかも一つずつ考えたりして。そういう作業は1カ月くらいかけました。 ──弾き語りをやるにあたって曲と向き合ったり、発見とかありましたか? すごくありました。レコーディングのときには気がつかなかったその曲のいいとことぬるいとこ。弾き語り用にアレンジを変える作業の中でいい所だけピックアップしようとしてやっているとすごく見えてきたというか。間奏ひとつとっても、例えばベーシストがいれば、ギタリストは同じコード進行を2回繰り返して成り立つけど、それを弾き語りで表現するには、繰り返しをしない方向で工夫したほうが良いとか…細かいアレンジを沢山考えました。 ──この曲はギターっぽいとか、そういうイメージも一度真っ白に? 最初はCD音源のコードを再現しようとかレコーディングで弾いたストロークで弾こうとか思ってやっていたんですけど、なんかうまくいかなくって。そんなとき山口洋さん(HEATWAVEでMY LIFE IS MY MESSAGEでもともに活動)に「CD音源は一回忘れる」「別物と捉える」とアドバイスを頂いて、あーーーってすっきりして。ギターでジャカジャカとストロークを多くするよりも、たとえレコーディングのアレンジとは違っても、全音符で歌詞を聴かせた方がいい場面もあるだろうしと。 ──今回チャレンジしたこと、印象に残ったことは? そうですね。神戸で雨の日だったので、井上陽水さんの「傘がない」を自分の解釈でカヴァーしたり。福岡では山口洋さんが飛び入り参加してくれたり。せっかく「ヤイダヒトリ」なんだから枠にとらわれずきょうの楽しい音楽にしようという感じで。神戸でもリハをのぞいてくれたパーカッショニストに、“観に来てくれたんなら1曲やってってよ”みたいに言って舞台に上がってもらったり。観にきたのに働かされるみたいな(笑) あと、今回15カ所(沖縄を入れて16カ所)全国を回るのは約10年ぶりで、あーそうそう東北地方のお客さんってこんな感じやった、あー思い出した、九州のお客さんってこんな感じみたいな、その地方都市ごとの空気を感じられて楽しい。みんないい笑顔でこっちを見てくれてるんですけど、それが表に出る地方と、拍手もエアー拍手になるとこがあったり(笑)そういうのが懐かしいなって思って。久しぶりに行くところが多いので「やっときてくれた」とか言ってくれるととても嬉しいしやりがいがあります。 ──きょうの大阪公演(AKASO)はスペシャル編成ですね。ひとりでやったからこそバンドの楽しさを改めて感じたみたいなことはありますか? すっごいあります。久しぶりに自分以外の音と一緒にできて、これまで当たり前にせーので音を出してたことがこんなに愛しいものだったんだと再確認しました。今回のドラムとベースと歌の編成はなかなかスリリングな編成。だからこそ、各々がやっている音が丸々聴こえてなかなかしびれます。楽しいですよ。 ──「ヤイダヒトリ」続きますね。お客さんにはどんなふうに楽しんでほしいですか。 今回のツアーはお客さんと一緒に作り上げる感がいつもより大きいなと思っているので、観に来てくださる方はリラックスして心のままに自由に楽しんでいただけたらと思います。 ──冬のツアーが決まりました! 全国6カ所回ります。ライブハウスでがんがんのってもらって、嫌なことをパーンと忘れて明日から頑張れるようなライブにしたいなぁと思っています。ぜひ遊びに来てください!