回顧 大阪参院選30年の激戦 選挙のたびに変わった当選陣営の顔ぶれ
過去30年間に実施された10回の参院通常選挙は?
来月10日投開票の第24回参院選挙。大阪選挙区は6年前の選挙と比べて、改選定数が3議席から4議席に増えた。それでも、有力政党がそろって候補者を擁立する激戦区であることに変わりがないし、複数当選を狙う陣営もあり、予断は許さない。過去30年間に実施された10回の参院通常選挙の結果を振り返ると、選挙のたびに当選陣営の顔ぶれが変わる激戦の歴史が浮き彫りになってくる。
1986年選挙:無党派西川きよし候補が100万票で圧勝
今から30年前の1986年(昭和61)夏、第14回参院選は衆院選との同日選挙となった。お笑いタレントの西川きよし候補が無所属で出馬。テレビクルーを含めた大勢の報道陣が、候補者の街宣活動を終日追いかける。現在に至る密着取材態勢を生み出す端緒となった選挙だ。 開票すると、西川候補が圧勝。得票数は大阪選挙区で史上初の100万台に乗る102万票余りにおよんだ。2位に公明現職の峯山昭範候補が入り、3位には共産元職の沓脱タケ子候補が返り咲いた。 一方、西川候補圧勝のあおりで、自民新人の京極俊明候補が府議会議員出身ながら議席に届かず、無所属(民社推薦)で現職の中村鋭一候補も涙をのんだ。無所属、公明、共産が議席を確保。政党の支援を受けない無党派西川候補の強さを印象付ける選挙となった。
1989年選挙:土井たか子社会党が躍進し大阪でもトップ当選
89年(平成元)の第15回参院選。土井たか子委員長率いる社会党が、マドンナ旋風を巻き起こして改選第1党に躍進した。 大阪選挙区でも、社会新人の谷畑孝候補(現おおさか維新衆院議員)が90万票余りでトップ当選。以下、無所属現職(民社推薦)の横山ノック候補、公明新人の白浜一良候補が当選をはたした。 しかし、自民現職の坪井一宇候補や共産新人の吉井英勝候補は、それぞれ70万票、60万票台の得票を獲得しながら、議席には届かず。有権者の多い大都市選挙の厳しさを改めてうかがわせた。
1995年選挙:新進・共産・自民が議席を分け合う
92年(平成4)の第16回選挙は、西川候補が2回目の当選を97万票あまりの得票数で危なげなく決めた。さらに公明新人の山下栄一候補が組織票を手堅くまとめて2位当選をはたし、3議席目には自民元職の坪井候補が滑り込んだ。共産新人は次点に終わり、無所属・公明・自民が議席を分け合う構図となった。 政界再編成のうねりが高まる中、95年(平成7年)の第17回選挙では、新党の新進党が改選議席数を倍増させた。大阪選挙区でも、新進から出馬した現職の白浜一良候補が101万票を超える得票数でトップ当選した。 残り2議席を共産の山下芳生、自民の谷川秀善の両新人候補が分け合い、うれしい初当選。新進、共産、自民の組み合わせとなった。この選挙まで改選3議席の組み合わせが4回連続で異なるほど、大阪の各陣営にとっては、油断ならない激戦の連続だった。