回顧 大阪参院選30年の激戦 選挙のたびに変わった当選陣営の顔ぶれ
2016年選挙:9候補が4議席を争う激戦の様相
過去30年間に実施された10回の参院通常選挙から分かることは何か。10回の選挙で連続当選を達成してきた政党は公明だけだ(新進時代を含む)。その他の政党では、現職が議席を守れず手痛い敗北を余儀なくされることも。いわゆる無党派層の風を受けやすく、現職有利の選挙の常識がさほど通用しないむずかしい選挙区だ。 98年の第18回選挙までは、横山ノック候補、西川きよし候補という大阪色の強いタレント候補が抜群の得票力を誇る分だけ、政党候補が苦戦を強いられる構図が、いちどならず上書きされる。その後も政界再編などをにらみ、各陣営の現職や新人、元職が入り乱れて、毎回のように立候補者も当選者も顔ぶれが変わるタフな選挙戦が繰り返されてきた。 そして今回の第24回選挙では、改選4議席に対し、9名の候補者が立候補。主要メディアによる選挙戦序盤の情勢分析などを総合すると、有力陣営による接戦が激しさを増す。 大阪知事選・市長選のW選に圧勝した勢いで、ふたりの候補者を擁立したおおさか維新が、2議席奪取に成功するのか。改憲勢力が4議席を独占するのか、それとも改憲推進に否定的な野党勢力が独占を阻止するのか。今後の政治に直結する議席の行方に関心を集めながら、大阪の選挙戦は後半戦から最終盤へ突入する。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)