【ネコ漫画】家族を失った少年と猫の物語… 種を超えて「お互いの孤独」を分かち合う姿に胸打たれる【作者インタビュー】
WEB上の個人制作漫画には、プロの漫画家が手掛けたものも数多く存在する。「ポンコツお嬢様と陰キャ世話係」を連載中の漫画家の野愛におし(@nioshi_noai)さんがのオリジナル作品「猫神オカンはお世話したい」もそうした漫画の1つ。人と猫、種は違えどお互いの喪失を癒やす光景に胸が突き動かされる短編について、作者の野愛におしさんに取材した。 【漫画】本編を読む ■少しずつ現実を受け入れて前を向いていく 本作を描いたきっかけについて、作者の野愛におしさんは「もともとはジャンプ+様の連載争奪ランキングエントリー作品として執筆しておりました。1位が連載権獲得という企画で、残念ながら2位という結果になり、連載には至りませんでした」と語る。 本作の魅力の1つは、野愛におしさんが描く猫のオカンの様々な表情だ。可能な限りリアルに表現し、キャラクターが実在するかのようにしたかったという。「猫のパーツ一つひとつにこだわり、怖く見えるパーツはしっかり怖くフワフワな毛は弾力や触ったときのつぶれ具合等の表現がよりリアルに伝わるよう意識しました。雰囲気だけでメスだと判断がつくよう、表情にも柔らかさを入れたり、優しい視線を送るために、目を細めるシーンを多く使いました」とその秘訣を教えてくれた。 X(旧:Twitter)上では「母を亡くした少年と、子を亡くした母猫」という直球のタイトルで投稿された同作。ノボルと「猫のオカン」との触れ合いから、種を超えてお互いに孤独を分かち合うことができるというメッセージを感じる。 本作で描こうとしたことやこめた思いについて聞くと「お互い触れ合ううちに、少しずつ家族を失ったことを実感するとともに少しずつ現実を受け入れて前を向いていく、そんな話を考えておりました。ときに過去に振り回され自分の意見や価値観を押し付けてしまうような展開などを経て、『親離れ』と『子離れ』が同時にできたらいいなと思っておりました」と話す。 また、「いつか一から描き直して、もっと心に強く残るような、そんな作品に生まれ変わらせたいと思っております」と意気込みも聞かせてくれた。今後が楽しみだ。 取材協力:野愛におし(@nioshi_noai)