入社してすぐ「静かに退職する」新人社員の特徴 最低限の仕事だけこなす部下は誰がつくるのか
「優しく接していたら、成長できないと不安を持たれる」 「成長を願って厳しくしたら、パワハラと言われる」 ゆるくてもダメ、ブラックはもちろんダメな時代には、どのようなマネジメントが必要なのか。このたび、経営コンサルタントとして200社以上の経営者・マネジャーを支援した実績を持つ横山信弘氏が、部下を成長させつつ、良好な関係を保つ「ちょうどよいマネジメント」を解説した『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール』を出版した。
本記事では、会社に属しながらも、まるで退職したかのように最低限の仕事をこなす働き方=「静かな退職(Quiet Quitting)」をしてしまう新入社員の特徴を紹介する。新入社員が主体性をもって働くために上司がやるべきことは何か。書籍の内容に沿って解説していきたい。 ■上司も先輩も「静かな退職」者? 入社してすぐ戦力になる新入社員もいれば、すぐやる気をなくして「静かな退職」をする新人もいる。 「なんで、こうなるんだ!」
最も悔しいのは採用に関わった人事部のメンバーだろう。超売り手の新卒市場において、ようやく採用できた新入社員が「静かな退職」をしてしまうなんて。配属先では、どんな受け入れ方をしたのか? 強く残念がるに違いない。 そもそも「静かな退職」とは、どんな概念なのだろうか? 実のところアメリカのティックトッカーによって拡散された独特の概念だ。現在では世界中のZ世代で使われるようになった。 サッカー選手にたとえると、ボールが足元に来たら蹴るが、そうでなければ積極的にボールを追いかけたりしない。こんな姿勢ではないか。必要だと言われたらやる。しかし必要だと思わない仕事は積極的に手伝わない。試合に勝ちたい選手からしたら、たまったものではないだろう。
「静かな退職」といっても、何もやらずにぼーっと職場にいることを指すわけではない。会社のために汗はかかないし、出世のための自己研鑽はせず、淡々と言われたことだけをやる働き方のことだ。 それにしても、なぜZ世代の若者たちは、配属先の職場に失望し「静かな退職」を選択してしまうのだろうか? 日本企業の場合、理由は簡単だ。自分の上司や先輩も、実際には「静かな退職」者であるからだ。 言い訳ばかりで結果を出さない営業や、一向に生産性を上げようとしないデスクワーカーも同類かもしれない。いつまで経ってもITリテラシーを高めようとしないベテラン社員も「静かな退職」者と言えるだろう。