企業の寿命はたったの「30年」!?「JT」「任天堂」「サンリオ」有名企業の歴史から紐解く、この先の時代で「必要」とされる人材像
近年注目が集まっているアントレプレナーシップ。「起業家精神」と訳され、高い創造意欲とリスクを恐れぬ姿勢を特徴とするこの考え方は、起業を志す人々のみならず、刻一刻と変化する現代社会を生きるすべてのビジネスパーソンにとって有益な道標である。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 本連載では、米国の起業家教育ナンバーワン大学で現在も教鞭をとる著者が思考と経験を綴った『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』(山川恭弘著)より抜粋して、ビジネスパーソンに”必携”の思考法をお届けする。 『バブソン大学で教えている世界一のアントレプレナーシップ』連載第45回 『「エース事業」もいつかは廃れる...あなたの会社は大丈夫?有名企業の衝撃的なビフォーアフターに学ぶ、社会の変化を乗りこなす「コツ」』より続く
任天堂の軌跡
日本のトラディショナルな企業の一つにJTがあります。正式名称は「日本たばこ産業株式会社」。もともとは塩とタバコ、樟脳(しょうのう)を専売する旧大蔵省の外郭団体であり、1949年に法人化、1985年に民営化され現在の会社組織になっています。 もともとは塩とタバコ、樟脳という特殊な専売制度のもとに設立されていた組織です。タバコ需要の大幅な縮小、樟脳需要の減少などの影響も大きく、1980年代半ばごろから、大きく経営方針が変わっていきます。 医薬品事業、飲料事業、食品事業などをM&Aといった手段で事業買収、あるいは自社展開し、「医薬と食品の総合企業」に様変わりしています。 いまや世界にも知られる任天堂も、大きく変化した企業の一つに数えられます。もともとは「丸福」という社名で創業し、その後「任天堂骨牌」に社名変更して、トランプや花札、麻雀牌などのメーカーとして知られていました。 しかし、1960年代にカードゲームの需要が縮小、経営難に陥ります。そこでアナログからデジタルへの転換を実施。まだ日本ではどの企業も手をつけていなかった「エレクトリック玩具」の分野に主事業を切り替えていきます。 ポケットタイプの「ゲーム&ウオッチ」のヒットに続いて、1983年にファミリーコンピュータが大ヒットします。いわゆる「ゲーム業界」を生み出してしまったといってもいいでしょう。 ファミリーコンピュータのヒットから、据え置きゲーム機での競争が激化、SEGAやソニーとの戦いがあり、次世代機戦争と言われたゲーム機のシェア争いでは、ソニーのプレイステーションの後塵を拝してしまいます。 ところが、ニンテンドーDSという携帯ゲーム機を発売して、「携帯ゲーム機」というジャンルを創出し、その存在感を示しました。 任天堂のゲーム機開発は、常に「新しい市場」をつくり出してきたと言えるでしょう。
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