Jr.EXILE vs NEO EXILE超バトル開幕!「BATTLE OF TOKYO」“1st ROUND”レポート
LDHが仕掛ける、Jr.EXILE世代のアーティストを主役とした総合エンタテインメントプロジェクト『BATTLE OF TOKYO』。2019年7月に開催した始動ライブ『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』以降、多彩なバトルを繰り広げながら世界観を拡張してきた本プロジェクトが、今夏、『BATTLE OF TOKYO ~Jr.EXILE vs NEO EXILE~』として開幕した。今回の“BOTライブ”には、THE RAMPAGE、FANTASTICS、BALLISTIK BOYZ、PSYCHIC FEVERというJr.EXILE世代の4グループに加え、LDH主催のオーディション『iCON Z ~Dreams For Children~』から誕生したNEO EXILE世代のLIL LEAGUE、KID PHENOMENON、THE JET BOY BANGERZ、WOLF HOWL HARMONYが参戦。8月31日・9月1日に京セラドーム大阪で開催される“2nd ROUND”に先駆け、8月10日・ 8月11日・ 8月12日にさいたまスーパーアリーナで開催された“1st ROUND”の模様をお届けする。 【写真】さいたまスーパーアリーナで開催された『BATTLE OF TOKYO ~Jr.EXILE vs NEO EXILE~』の模様 『BATTLE OF TOKYO』の物語の舞台となる“超東京”――それは、世界的な大嵐“IUS”に見舞われながらも、最先端の複製技術=通称“コピー”で奇跡的な復興を遂げた、我々が生きる現世とは別次元の未来都市。この世界では、神出鬼没の怪盗団 MAD JESTERS(≠GENERATIONS)、最強無比の用心棒組織 ROWDY SHOGUN(≠THE RAMPAGE)、変幻自在のイリュージョン集団 Astro9(≠FANTASTICS)、風狂無頼のハッカーチーム JIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)という4チームが、“ファイナル・ファクト”に隠された謎を解くため、“スキル(異能力)”を用いたバトルを繰り広げていた。しかし彼らは、幾度も拳を交えるうちに、互いのルーツや生き方に共鳴。さらには、自分たちの共通の敵が治安維持組織“ブルーシールド”であることを知り、いつしか共闘するように。原作小説の最新刊『BATTLE OF TOKYO vol.5』(月島総記・著)では、闇の武器商人 DUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)がブルーシールドと手を組むヴィランであることが明かされ、MAD JESTERSの司令塔・シャーロック(≠片寄涼太)が次元の彼方へと姿を消したところで、第一章完結が告げられていた。 だが今年、“多重郷次元”(マルチバース)を描いた物語は新たな扉の先へと歩みを進めた。シャーロックから「滅びゆく“超東京”を救うため、新たな可能性(NEO EXILE)と共鳴・共闘し、混沌を生み出してほしい」という使命を受け、“超東京”のキャラクターたちが、すべての可能性を秘めた場所“多現在”に姿を現したのである。“超東京”に生きる姿と、“現世”でのアーティストの姿――2つの顔を巧みに操りながら。 定刻を少し過ぎた頃、先陣を切ってメインステージに登場したのは、未来を切り拓くための鍵としてJr.EXILEのバトル相手に選ばれた、NEO EXILEの4グループ。すかさずJr.EXILEの4グループも、アリーナ席を取り囲む外周ステージに登場し、川村壱馬(THE RAMPAGE)による「NEO EXILE、かかってこいよ」の一声が“大バトル祭”の火蓋を切った。先輩からの挑発を迎え撃つように、岩城星那(LIL LEAGUE)がリードしたオープニング曲は「24WORLD/NEO EXILE ver.」。これまでJr.EXILEがBOTライブのオープニングに掲げてきた楽曲を、新たな顔ぶれと構成で塗り替えていく。対するJr.EXILEが1曲目に届けたのは、EXILEから脈々と受け継いできた“24karatsシリーズ”の最新曲「24karats -type Jr.EX-」。こちらも、世界(FANTASTICS)と山本彰吾(THE RAMPAGE)が共作したという振付や、BALLISTIK BOYZとPSYCHIC FEVERのメンバーによるラップパートなど、BATTLE OF TOKYOライブならではのコラボが実現。曲終わりに各グループのメンバーが揃ってポーズを決めると、ひと際大きな歓声が上がった。 ここからは、今年8月にリリースしたコンピレーションアルバム『BATTLE OF TOKYO Jr.EXILE vs NEO EXILE』のブロックに突入。世代を超えたコラボバトルのトップバッターを務めたTHE RAMPAGE vs THE JET BOY BANGERZは、川村と宇原雄飛(THE JET BOY BANGERZ)の睨み合いから「Goodest Baddest」へ。今やJr.EXILEを牽引する立場であるTHE RAMPAGEの王者たる風格もさることながら、宇原・エイロン・石川晃多というエネルギッシュな3ボーカルと、D.LEAGUEのプロダンサーで構成されたTHE JET BOY BANGERZも果敢にダンスバトルに挑み、総勢26名による大迫力の群舞で早くも熱狂を生み出した。PSYCHIC FEVER vs WOLF HOWL HARMONYは、各グループが“陰”と“陽”の役割を纏いながら「YIN YANG」を披露。“超東京”で最強のヴィランを担っているハイスペックグループPSYCHIC FEVERを、少数精鋭のWOLF HOWL HARMONYがまばゆい光で蹴散らす様に胸を打たれる。 また、EXILE TRIBE初の7マイクグループとして誕生したBALLISTIK BOYZと、『iCON Z ~Dreams For Children~』でグランプリに輝きデビューしたLIL LEAGUEという、EXILE TRIBEの歴史を大きく変えた2組のバトルも。かつて“ちょっと生意気な大型新人”として『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』に参戦していたBALLISTIK BOYZが先輩となり、“頼もしい新星たち”と共に『Icy Fire』を歌い踊る姿に、『BATTLE OF TOKYO』の歴史を感じた観客も多かったはずだ。このブロックの最後を飾ったのは、各世代の中で特に華やかなステージングに定評のあるFANTASTICS vs KID PHENOMENON。「TurquoiseSun & PinkPurpleMoon」には、爽やかな笑顔で観客を魅了するFANTASTICSと、そんな先輩たちに構ってもらいたいヤンチャなKID PHENOMENONの関係性が表われており、表情豊かなマイクリレーや格ゲー風のユーモラスなダンスパートで場内を彩った。 今回のBOTライブには、NEO EXILEの参戦以外にも新たな試みが多数用意されていた。その1つが、アクティング。過去にもアクティングを取り入れた回があったが、今年は、作り込んだステージセットや殺陣を取り入れた本格的な演技パートが加わったのである。こういった魅せ方ができるようになったのは、Jr.EXILEメンバーの多くが俳優として活躍の場を広げているからこそだろう。会場中央のLEDモニターに、ブルーシールドのシステムをハッキングするJIGGY BOYSの姿(アニメーション)が映し出されると、次の瞬間、実写のJIGGY BOYS(≠BALLISTIK BOYZ)がアニメと同じポージングでメインステージに登場。「VIVA LA EVOLUCION」アニメーションMVを再現するかのように、アーケードゲームの筺体が演出に使用され、7人は舞台さながらの掛け合いを見せると、フューチャー(≠深堀未来)とスキート(≠砂田将宏)の「過去は変えられないけど、未来は変えられる」「それが俺たち、JIGGY BOYS」という台詞を合図に、一気に観客を“超東京”に連れ去った。それはAstro9 (≠FANTASTICS)、DUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)、ROWDY SHOGUN (≠THE RAMPAGE)のパートも同じく。Astro9 (≠FANTASTICS)の料理人・ハジメ(≠澤本夏輝)のキメ台詞や、ケイン(≠木村慧人)とカグラ(≠瀬口黎弥)のハグ、ROWDY SHOGUN (≠THE RAMPAGE)のゴエモン(≠陣)とDUNG BEAT POSSE(≠PSYCHIC FEVER)のフォース(≠剣)が兵刃を交える場面など、原作小説ファンにも嬉しい演出で『BATTLE OF TOKYO』の世界を拡張していく。 新たな試みの2つ目は、ボーカルによるドリームステージだ。パフォーマーバトルはすっかりBATTLE OF TOKYOライブの定番となっているが、ボーカルによるコラボステージを行うのは今回が初めて。熱気冷めやらぬ場内に爽やかな風を吹き込むように、中島颯太(FANTASTICS)と、デビュー前から中島の大ファンだというHIROTO(WOLF HOWL HARMONY)が、“夢を追う素晴らしさ”をテーマに制作した「MY WAY」を届けた。アーティストに憧れていた立場から一転、自分らしいアーティスト像を見据えて歩み始めたHIROTOと、より多くの人に歌声を届けるために努力を重ねる中島の人生が、清涼感のあるハーモニーとして場内に広がっていく。続いて投下されたのは、川村壱馬(THE RAMPAGE)、松井利樹(BALLISTIK BOYZ)、小波津志(PSYCHIC FEVER)というカリスマオーラ溢れる3人によるドープな「BOW WOW WOW」。THE RAMPAGEのパフォーマーで結成されたHIP HOPユニットMA55IVE THE RAMPAGE(LIKIYA、浦川翔平、鈴木昂秀、山本彰吾、神谷健太)と、SUZUKI&RYOJI(WOLF HOWL HARMONY)は、「W」を披露。LIKIYA・山本彰吾・鈴木昂秀によるパンチの効いたラップパートに加えて、浦川&神谷もSUZUKI&RYOJIと共に伸びやかなボーカルを響かせ、進化し続けるJr.EXILEの生き様を見せつけた。ストイックな印象が強いRIKU(THE RAMPAGE)と宇原は、RIKU曰く「僕らが歌い手として大事にしていることを込めた曲」だという壮大なバラード「I Sing」を熱唱。近年、俳優として注目されることの多い吉野北人(THE RAMPAGE)と八木勇征(FANTASTICS)は、ひと際難易度が高そうな「Believe」を堂々と歌い上げ、客席に感動とハピネスを振りまいた。 そして、いざパフォーマーバトルがスタート。このブロックも今までの対戦形式とは異なり、チーム戦に。TEAM“SOUL STEPPER’S”(岩谷翔吾、浦川、佐藤大樹、日髙竜太、剣、NOSUKE、古嶋滝、佐藤陽)、TEAM“NAKAME SWAG”(LIKIYA、鈴木昂秀、龍、堀夏喜、JIMMY、半田龍臣、山田晃大、岡尾真虎、佐藤峻乃介、川口蒼真)、TEAM“NIGHT”(神谷、藤原樹、木村、加納嘉将、砂田、渡邉廉、岩城、中村竜大、遠藤翼空、山本光汰、中村碧)、TEAM“DOPENESS”(武知海青、長谷川慎、後藤拓磨、瀬口、松井、WEESA、岡尾琥珀、鈴木瑠偉)、TEAM“RHYTHM WAVE”(陣、与那嶺瑠唯、深堀、小波津、田中彰、桑原巧光、佐藤蒼虎)、TEAM“F.dom”(山本彰吾、世界、澤本、海沼流星、奥田力也、中西椋雅、百田隼麻、難波碧空、夫松健介)という6グループが参戦した。ちなみに、例えばTEAM“DOPENESS”はクランプやHIP HOP、TEAM“RHYTHM WAVE”はポップやブレイキンというように、得意なダンスジャンルやダンススタイルが近しいメンバーが集結。小道具を用いて独創的なステージを作り上げたり、セクシーな身のこなしで観客を翻弄したりと、各自の強みを活かしたアピール合戦が繰り広げられた。ファイナルバトルと題して行われた、Dリーガー兼NEO EXILE代表の桑原と、Jr.EXILEが誇るダンスの申し子・世界による直接対決も、本公演の大きな見どころと言えるだろう。 ここまで約2時間。パフォーマーたちの白熱したステージを経て、GHEE(WOLF HOWL HARMONY)が切々と吐き出すラップが静寂を切り裂くと、いつの間にか、ライブは終盤に差し掛かっていた。GHEEの声に誘われるように、NEO EXILEの4組は、それぞれのカラーを打ち出したオリジナル曲で観客の心を掴んでいく。とはいえ、『BATTLE OF TOKYO』の顔として君臨するJr.EXILEも、新たな可能性を秘めたNEO EXILEも、彼らの身体に宿る魂はひとつ。“EXILE RESPECT”と題し、THE JET BOY BANGERZと「No Limit」をコラボした川村は、自信に満ちた表情で「これがEXILE TRIBEだ!」と叫んだ。また、2021年にEXILEデビュー20周年を記念し、Jr.EXILEが発表したトリビュートシングル『EXILE TRIBUTE』の楽曲が続く一方で、リリース当時にまだデビュー前だったPSYCHIC FEVERは、WOLF HOWL HARMONYと共に「WON’T BE LONG」を初披露。他のグループたちも、この組み合わせならではのアレンジを効かせながらEXILEの楽曲をアップデートし、“共闘”する。毎年恒例となっているJr.EXILEの人気曲メドレーも、PSYCHIC FEVERの「BAKUBAKU」で藤原と山本光汰が2人の手を添えてハートを作ったり、BALLISTIK BOYZの「PASION」に合わせて木村と岩谷)が腕立て伏せを始めたり、PSYCHIC FEVERの「Just Like Dat feat. JP THE WAVY」に合わせて海沼・佐藤大樹(FANTASTICS)・川口・龍が寄り添いながら踊っていたり、FANTASTICSの『CANNONBALL』で最年長の世界(FANTASTICS)と最年少の難波が仲良くタオルを回していたりと、グループやチームの壁を越えた絆を感じられた。 吉野が煽った「BOTコール」が充満する中、まさに“お祭り騒ぎ”のような光景が広がっていた。 最後のMCタイムでは、川村の司会のもと、各グループのメンバー数名がライブの感想を語った。3DAYSの最終日には、BALLISTIK BOYZ vs LIL LEAGUEのバトル曲『Icy Fire』の冒頭で、中村竜大に掴みかかる演技をしていた砂田が「たっちゃん、俺たち本当はめちゃくちゃ仲良いもんね?」という呼びかけ、中村竜大が「リハーサルと違ったんで、ちょっとビビっちゃったんですけど……(笑)」と本音をこぼして笑いを誘う場面も。そんな後輩らしい素顔を見せつつも、LIL LEAGUEのリーダーである岩城が、NEO EXILEを代表して「新人グループである自分たちが、先輩方が紡いできた『BATTLE OF TOKYO』に参加させていただけることは、先輩グループのみなさんの優しさであり、その先輩グループを応援されているファンのみなさんの優しさがあってこそ実現したものだと思っています。本当にみなさん、ありがとうございます」と誠実に伝えると、客席から大きな拍手が沸き起こった。そして、Jr.EXILEメンバーが口々に観客を煽り、ラストナンバー「24WORLD/Jr. EXILE ver」へ。総勢65名でBOTライブのアンセムを全力パフォーマンスすると、『BATTLE OF TOKYO』新章の幕開けを祝うように、金テープが盛大に宙を舞った。 なお、終演後には嬉しいお知らせも告知された。2022年のBOTライブでキャラクターボイス(声優)が発表されて以降、水面下で動いていた『BATTLE OF TOKYO』のアニメ化がついに本格始動するという。