子どもがいない“おふたりさま夫婦”が「相続で失敗しない」たった1つの方法 家庭裁判所で「調停」が必要になるケースもある!どうすればいい?
結婚しても子どもをもたない夫婦、いわゆる「おふたりさま」が増えている。 共働きが多く経済的に豊か、仲よし夫婦が多いなどのメリットはあるものの、一方で「老後に頼れる子どもがいない」という不安や心配がある。 そんな「おふたりさまの老後」の盲点を明らかにし、不安や心配ごとをクリアしようと上梓されたのが『「おふたりさまの老後」は準備が10割』だ。 【書籍】衝撃の「おふたりさま老後問題」を、Q&A方式でやさしく解説した新刊書『「おふたりさまの老後」は準備が10割』 著者は「相続と供養に精通する終活の専門家」として多くの人の終活サポートを経験してきた松尾拓也氏。北海道で墓石店を営むかたわら、行政書士、ファイナンシャル・プランナー、家族信託専門士、相続診断士など、さまざまな資格をもつ。
その松尾氏が、「子どものいないある夫婦の、夫の死後に起こった相続の残念な結末」について解説する。 ■子どものいない夫婦、相続を開始して驚いたのは…… 子どものいないAさんご夫婦は、ともに60代。多少の貯蓄もあったため経済的な不安もなく、2人で仲睦まじく暮らしていました。 しかしある日、夫のAさんが急死。Aさんの妻は大きな悲しみに包まれました。 悲しみに暮れながらも、夫の死後の手続きを開始したAさんの妻は、あることに気づきました。
夫婦の財産の大半を夫名義にしていたAさんご夫婦ですが、その額は約3000万円でした。 相続の手続きをしようとしたところ、妻である自分以外に、夫の兄のBさんも相続人であることを初めて知ったのです。 前回の記事(「おふたりさま夫婦」だから起る「“相続”の大問題」)でも説明したように、子どものいないおふたりさま夫婦の相続は、配偶者のほか親や祖父母、兄弟姉妹や甥姪が相続人になり、相続がとても面倒で複雑になる可能性があります。
Aさんの妻にとっては義理の兄、遠方住まいで疎遠だったBさんに連絡をとり、相続について相談しなければなりません。 ただでさえ悲しみの中にいるAさんの妻にとって、これは大きな驚きであると同時に、「大きな負担」でもありました。 Aさん夫妻の相続は、いったいどうなったのでしょうか? 早速、解説していきましょう。 Aさんご夫婦のようなケースでは、兄のBさんの対応は、次のいずれかになると思います。 ①「遺産はいらない」と言う