「友達にさそわれて犯罪に手を染めた人」の末路は、どうなる?
「闇バイト」による強盗などの事件が後をたたない。逮捕者の多くは、10~20代の若者で、なかには14歳の中学生もいた。もはや「うちの子だけは大丈夫」とは言いきれないほど犯罪の誘惑は“ふつうの子ども”にも迫りつつある。 子どもを犯罪にかかわらせないために、親は何をどう伝えればよいのか? そんな難問にこたえる書籍が、池上彰総監修『いのちをまもる図鑑』(ダイヤモンド社)だ。自然災害やケガ、危険生物など、あらゆる身の回りの危険から身を守る方法を網羅した本書だが、なかでも反響が大きいのが「犯罪からいのちを守る」の章。 「親が説明しづらい情報がまとまっている!」「子どもが自ら進んで読んでくれる」「大人でもためになった」といった感想が多数寄せられている。 今回の記事では、『いのちをまもる図鑑』のなかから「友達に犯罪にさそわれたとき」の対処法を特別に紹介する。 (構成/ダイヤモンド社・金井弓子) 【この記事の画像を見る】 ● 親子で考えよう!「友達に犯罪にさそわれたら、どうする?」 犯罪への入り口は、意外と身近なところにあります。『いのちをまもる図鑑』では、クイズ形式で、犯罪からの身の守り方を紹介しています。 【クイズ】 いつもいっしょに遊んでいる友達が、気軽な感じで「このチャリ盗もうぜ」とさそってきました。こわいから断りたいけど、断ったら仲間はずれにされちゃうかも……? こんなとき、あなたならどうする? ① 今回だけはさそいにのる ② キッパリ断る ③ 別の友達もさそう →正解は、次のページへ!
● 犯罪にさそわれたら、キッパリ断る もちろん、正解は②の「キッパリ断る」です。 自転車窃盗や万引き、ひったくりなどは友達にさそわれがちな犯罪です。仲間に「ダサい」と思われたくなくて一度でも犯罪を起こしたが最後、「バラすぞ」とおどされ、闇バイトをするはめになり、少年院に入り、家族から見放され、また犯罪を起こし……と、悪の道をつき進むはめになってどん底までおちてしまいます。 だから、絶対に、きっぱり断らなくてはいけないのです。 もし犯罪に手をそめてしまったら、素直に警察に自首して、悪い仲間との関係を断ち切りましょう。自首すれば罪も軽くなり、二度と犯罪をしないようにカウンセリングを受けることもできます。 「今回だけはさそいにのる」のは絶対NG。たった一度の軽い犯罪から、どんどん重い犯罪に手をそめることになります。1回だけという気持ちは絶対にダメ。 「別の友達もさそう」のは無意味です。別の友達をさそっても、あなたの罪は軽くなりません。犯罪者が増えるだけです。 ● 少年院に入ったらどうなるの? もし犯罪をしてしまったら、警察につかまり少年院に入ることがあります。少年院はおよそ12~22歳の少年が再び犯罪を起こさないための「矯正教育」をする施設です。 入っているのは20歳未満が多く、教室や体育館、運動場があります。少年院の中で勉強したり資格を取ったりすることもできます。 学校のようですが、じつは大人が入る刑務所よりも規則が厳しく、教育目的にそって24時間正しく過ごさなければいけません。規則違反をすれば罰が加えられることもあります。 ※本稿は、『いのちをまもる図鑑』(監修:池上彰、今泉忠明、国崎信江、西竜一 文:滝乃みわこ イラスト:五月女ケイ子、室木おすし マンガ:横山了一)に関連した書き下ろし記事です。 『いのちをまもる図鑑』第5章監修者 国崎信江(くにざき・のぶえ) 危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表 女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。国や自治体の防災関連の委員を歴任。『10才からの防犯・防災』(永岡書店)や『おまもりえほん』(日本図書センター)などの監修もつとめる。
国崎信江/滝乃みわこ