世界で一番美しい島アイスランド全土一周の旅 満天の星にかかる色とりどりのオーロラ【極上のサードプレイス】
【たたずめる…極上のサードプレイス5選】 北大西洋に浮かぶ世界で一番美しい島「アイスランド」。国土の11%が氷河で覆われ、約30の活火山がある世界有数の火山国だ。北海道と四国を足したほどの全土に38万人が暮らしている。レンタカーを借り、8泊9日の行程で島内一周1332キロを回る旅に出た。 【写真】10億分の1の激レア! 英スコットランドで球形のニワトリの卵に1個4万円の値が 日本から首都レイキャビクまで、ヘルシンキ経由で約19時間。現地の気温は0度。強風が吹き、凍てつくような寒さだった。幹線道路は「リングロード」と呼ばれる国土周回道路のみ。空港を離れると、風景が一変する。地表には火山灰や溶岩が積もり、まるで月面のようだ。 厳しい自然環境と火山活動の影響から森林は限られ、植樹林も育ちが遅い。視界を遮るものがなく、目の前に360度の大パノラマが広がる。大地の真ん中を一本道がまっすぐ延び、次第に山肌むき出しの断崖や奇岩群が迫ってくる。圧倒的な迫力だ。 道中、ところどころで高低差のある滝が轟音とともに水しぶきを上げ、氷河から勢いよくあふれ出ている。地熱エリアでは湯煙が立ち上り、熱湯が噴き出している。絶景を眺めながら、世界最大の人工露天風呂「ブルーラグーン」につかる。神秘的な乳白色の湯に身も心も癒やされる。 食事は島内で飼育される羊のラム肉が中心。世界最古の純血種できめ細かな肉質と脂肪分が少ないのが特徴だ。ラムステーキにラムチョップ、伝統的なスープ「キョットスーパ」はラム肉と野菜がゴロゴロ入っている。毎日食べても飽きない。
息をのむ風景が広がる
北米大陸プレートとユーラシアプレートの地上部分にある大地の裂け目「シンクベトリル国立公園」。神の滝や火山湖、氷河湖、巨大フィヨルドなど見どころは尽きない。 牧草地には羊と馬が放牧され、町や村には北欧ならではのかわいい家や小さな教会がポツンと立ち、牧歌的な風景が広がる。草原をトナカイの群れが駆け抜け、氷河湖では氷塊の合間からアザラシがプカプカ顔を出し、春から夏にかけては最大の生物シロナガスクジラをはじめ、約20種のクジラに出会える。 青い空と広い海、壮大なスケールの山々に囲まれ、透き通る清流、荒涼とした地表のコントラストは、この世のものと思えない美しさ。雨上がりの空には七色の虹がかかり、夕暮れ時にはピンクオレンジに染まる。太陽が沈むと漆黒の夜に満天の星が光り輝き、やがて色とりどりのオーロラが現れ、刻一刻とその姿形を変える。息をのむ風景が広がる。 数万年の時を経て生まれた大地、火山、氷河といった地球のダイナミズムを感じられる。 【たたずみ難易度】★★★★★(★5つが最難関)