岐阜県知事選、和田玲子氏が出馬表明 国保料引き下げや医療福祉重視訴え
来年1月の岐阜県知事選への立候補を表明した産業カウンセラーの和田玲子氏(64)は16日、岐阜市内で会見し、「県民の命や暮らしを守る県政に転換する」と訴え、国民健康保険料の引き下げや雇用の確保、選択的夫婦別姓制度の実現などの基本政策を発表した。 和田氏は岐阜市内で開かれた政治団体「県民が主人公の岐阜県政をつくる会」の総会で政策協定を結んだ後、会見に臨んだ。「現県政はオール与党体制。県議会では共産党県議が孤軍奮闘している状態が続いている」とし、「県内でつらい思いをしている人がいなくなるよう、マイノリティーの皆さんなどたくさんの声を吸い上げ、政策に生かしたい」と述べた。 基本政策には、18歳までの医療費無償化の実現やリニア中央新幹線建設工事の中止なども掲げた。古田肇知事の県政運営を「大型公共事業や国レベルの大会を幾つも誘致し、多額の金を使っている」と批判し、医療や福祉、教育施策に比重を置く方針転換が必要と強調した。 和田氏は滋賀県長浜市出身。岐阜大教育学部の重複障害児教育教員養成課程を修了後、岐阜市内の社会福祉法人で勤務。社会人編入で東海学院大人間関係学部を卒業し、産業カウンセラーの資格を取得した。現在は市内の社会福祉法人理事などを務め、2013年にはつくる会の加盟団体の一つ、新日本婦人の会岐阜支部の支部長に就いた。 つくる会は、共産党県委員会や市民団体など約200団体で構成。過去の知事選でも会に加盟する団体から候補者を擁立している。 ◆「小さな声を政策に」 会見一問一答 来年1月の県知事選への立候補を表明した和田氏の一問一答は次の通り。 -決意した経緯は。 「『県民が主人公の岐阜県政をつくる会』から話があり気持ちを整理して決めた。県政はオール与党体制で(共産党の)中川裕子県議が孤軍奮闘している。多くの団体の皆さんの声を届ける立場として立候補し、知事として声を実現する」 -重点政策は。 「18歳までの子どもの医療費無償化を岐阜県でも実現したい」 -「与野党相乗り」の対立候補との差別化は。 「本当に県民の声が県政に届いているのかが非常に問題。諦めている県民もたくさんいる。小さな声を吸い上げ政策に生かす」 -知事選では県政史上2人目の女性候補者となる。 「岐阜県はまだまだジェンダー平等については遅れている。男性であれ女性であれ、つらい思いをする人がなくなるよう、マイノリティーの皆さんの権利を認め生かして政治を進める」 -古田県政の評価は。 「大型公共工事が多かった。国レベルの大きな大会を幾つも誘致し多くの金が使われている。命や暮らしのために転換したい」
岐阜新聞社