3年ぶりのプリンス東北復帰目指す聖光学院が快勝!健闘見せた初出場東北生文大高は歴史作った1年に
12月16日、高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2023プリンスリーグ東北 プレーオフ(参入戦)1回戦2試合がJヴィレッジにて行われた。第1試合は福島県リーグ1位の聖光学院と、宮城県リーグ4位(2位の聖和学園高セカンドと、3位のベガルタ仙台ユースセカンドは、プリンスリーグ東北にトップが参入しているため出場できない)の東北生文大高が対戦した。聖光学院は2021年以来3年ぶり、今大会が初出場の東北生文大高は初めてのプレミアリーグ東北参入を目指した。 【フォトギャラリー】聖光学院 vs 東北生文大高 前半からチャンスをつくっていたのは聖光学院だった。エースストライカーのFW渡邉陽路(3年)を中心に攻め立てるが、東北生文大高もGK佐藤佑哉(1年)、キャプテンDF松本千弘(3年)、DF鎌田真知(3年)を中心に守備陣の集中が途切れず、ゴールを割らせない。ただ東北生文大高もFW工藤琉来(3年)にボールをおさめさせて、攻め立てようと試みるが、聖光学院もキャプテンDF鈴木悠真(3年)を中心に守備が堅くシュートまで持ち込めない。前半は0-0で終えた。 後半開始から聖光学院はFW吉田友樹(3年)を投入し勝負に出る。そして57分中盤でボールを奪ったMF小川大翔(3年)が「良い位置でボールを奪えて、相手のGKが前に出ていたので、シュートを打てば入ると思いました」とループシュートを放つ。これが決まって聖光学院が先制に成功した。 東北生文大高は選手交代でFW早坂健(3年)、MF和氣瑛汰(1年)など攻撃的な選手を投入するが、やはり聖光学院の守りが堅くゴールを生み出せない。試合終盤には相手にPKを献上。87分吉田がPKを決めた。さらに90+3分コーナーキックからMF舘崎海翔(3年)がゴールを決めてダメ多し。3-0で勝利した聖光学院が17日の決定戦八戸学院野辺地西と対戦することが決まった。 聖光学院山田喜行監督は「思いのほか難しいゲームになってしまい、前でおさまらずに前進してプレーできなかったのが要因です」と前半無失点で終えた状況を振り返ったが、「ラインが下がって消極的だったので、FWを代えたらおさまるようになりました」と吉田投入が効果的だったという。先制点の小川だが「選手権県大会の時よりもアグレッシブに前に出て行ってくれました」と攻撃参加を山田監督は讃えた。小川自身も「後半点を取りに行かなきゃいけなかったので、積極的にゴールに向かいました」とアグレッシブな姿勢が実ったことを喜んだ。決定戦は八戸学院野辺地西との対戦。「総力戦です。(青森県では)山田に何度も負けて、プレーオフも何度も負けていて悔しい思いをしています。簡単では無いですが、再昇格を目指してここまでやっとたどり着いたので、全力で勝ちたい」と山田監督は意欲を見せた。 一方、初出場は厳しい敗戦に終わった東北生文大高だったが、前半は相手を無失点におさえるなど収穫もあった。「良くないミスが直接失点につながりました」と川村聡監督は試合内容を悔やんだが、「コツコツやってきて、今までは憧れだったチームと対戦できました。子どもたちの成長は日々感じているので、もっと高いレベルで勝負できるようにしたいですね」と今後への意気込みを語る。今年は初めて県高校総体決勝に出場し、その後の東北高校サッカー選手権大会にも初出場。そして今大会も初出場を果たし、チームの歴史を変えた。この試合は1~2年生を多く起用しており、今後に向けて良い経験を積むことができた。 (文・写真=小林健志)