【プレミア12】戸郷翔征4失点“魔さか”警戒していた長打が命取り「すごく責任を感じています」
誤算に誤算が重なった。侍ジャパン先発の戸郷翔征投手(24)は5回7安打4失点で降板。5回に今シーズン1度もなかった1イニング2被弾を献上した。巨人で3年連続12勝を挙げた右腕が、プレミア12の頂上決戦で天を仰いだ。 主戦場とする本拠地マウンドで“魔さか”だった。0-0の5回無死。均衡が破られた。8番林家正に真ん中150キロ直球を右中間席に運ばれた。ダイヤモンドバックス傘下に所属する27歳に手痛い1発を献上。「1発で試合が決まってしまったのは悔しい」。警戒していた長打が命取りになった。さらに悪夢は続く。右前打と四球で1死一、二塁のピンチを背負い、陳傑憲に右翼越え3ランを浴びた。悲鳴と歓喜が入り交じる東京ドームは異様な雰囲気に包まれた。 戸郷は「井端さんを最後に笑わせたい」と本気で思っていた。台湾での1次ラウンドでは自ら炊飯器を持参。異国で「食べられないじゃ体重も減っちゃいますし」と食生活を変えなかった。夜の外出も控え、ホテルでコンディションを整えてきた。試合後は「すごく責任を感じています」と悔し顔。献身的だった右腕だが、あまりに残酷な結末だった。【只松憲】