「NODA・MAP」ロンドン公演が開幕 松本潤「野田さんとここに来ることができてよかった」
劇作家・演出家の野田秀樹氏の「NODA・MAP」の新作「正三角関係」の英国公演(英題は「Love in Action」)が現地時間10月31日、ロンドン市内のサドラーズ・ウェルズ劇場で開幕した。 「NODA・MAP」の英国公演は2022年の「A Night At The Kabuki」以来2年ぶり。1500席、全4公演はすべて完売しており、初日公演後にはスタンディングオベーションが起こる熱狂ぶりとなった。 日本語のせりふで字幕をつける形での上演。野田戯曲の美しいせりふや言葉遊びの機微にも精通する翻訳チームが、英語での字幕を緻密に再現し観客からは「俳優陣の高い才能と出演者全員で作るアンサンブルワークが素晴らしい!」「見せ場、見せ場の連続で楽しめた」「野田秀樹が作品に詰め込んだアイデアが豊富で、そのひとつひとつがつながっていくのが面白い」などの感嘆の声が聞かれた。 また「正三角関係」は12月2日より、東京公演の収録映像が世界配信されることも決定している。 出演者、および野田氏からのコメント全文は以下の通り。 ◆松本潤コメント 野田さんとここに来ることが出来てよかったと感じています。演じている最中にも、初日を終えた今も。野田秀樹という演出家が、本番前に珍しくハグをしてからやろうと言ったことが印象に残っています。場所が違うことで何かが変わるわけではないのかもしれないけれど、この作品をロンドンでやる意味というものをすごく感じる瞬間でした。 ◆長澤まさみコメント ロンドンという地にいるのに、私たちは確実に日本という場所をその場に作り出した、そんな感覚で舞台に立っていました。伝えたい想いをこの場所に焼きつける様に、カンパニーの皆んなと手を取り合い最後まで駆け抜けたいと思います。 ◆永山瑛太コメント 本番前、野田さんからお客様の反応が日本とは違う、と聞いてはいましたが、冒頭から全く予想もしていない反応が起きて、思わず時が止まり、かなり動揺しました(笑い)。 野田秀樹さんの世界観が、イギリスのお客様にも伝わる事を肌で感じられる事が出来ました。この作品に携われた事は、ロンドン公演も含め、今後の俳優人生にとって、大きな意味を持つことを改めて痛感しました。感謝しかありません。ありがとうございます。 ◆野田秀樹氏コメント 厳しいロンドンで、これだけのカーテンコールとスタンディングオベイションをいただき率直に嬉しい。これほど初日を終えてほっとしていることもない。スタッフの仕事の質の高さが世界に通じるのは、経験上、確信していたが、作品のモチーフを、ロンドンの観客がどう捉えるのかドキドキしていた。けれども終演後、観客から生の声で「欧米人のクリエイターたちが決して創ることのできないものを創ってくれた。なにか目を覚ませと、頬っぺたでもひっぱたかれたみたいな気分だ」と聞いた時に、「あ、届いたな」と感じた。
報知新聞社