北極と南極を走った唯一のEV! これが「Pole to Poleプロジェクト」を走破した日産アリアだ!! 39インチタイヤのド迫力ボディを見よ!
北極や南極、インフラのないところでどうやって充電したのか?
アリアは完全なBEVで、電気が無ければ走ることができない。インフラが整っている市街地はもちろん、とりあえず電気さえ来ていれば多数用意した変換ケーブルで充電は可能だが、全く電気の来ていない場所、今回の冒険行の目的でもある南北両極ではどうやって充電したのだろうか? 用意した充電アイテムは3つ。発電機はあくまでサブのサブ。メインはソーラーパネルによる太陽光発電と、携帯可能な風力発電装置だったそうだ。 挑戦期間は両極がそれぞれ白夜を迎える季節に設定しており、太陽光発電は電力供給のかなりのウェイトを占めることになる。また、両極を中心に強風も予想され風力発電も予定していたが、期待したほど風が強くなくこちらは使えなかったという。 とはいえ、全行程の90%はインフラでの電力を使用でき、残りの10%が発電機と太陽光発電が賄ったそうだ。スタート時の北極では、極地での電力節約の試みとしてエアコンを使わず走行して航続距離を確認。その際にはステアリングヒーターとシートヒーターがしっかり機能して凍えることがなかったという。 そこでエアコン使用での航続距離を把握したことで、南極はもちろん、砂漠や熱帯の暑い地域でもエアコンを使用した。やはり寒さより暑さの方が耐え難いのは同じなようだ。 ちなみに、1日の走行距離は道路状況や気候、環境で左右されるのだが、概ね150マイル(約241km)ごとに充電タイムを設けていたそうだ。
走行距離は3万3000km以上……だけじゃない !?スタートとゴールの前にもかなりの距離を走行
このプロジェクトはスタート地点を1823年時点の北磁極(座標:N70 38' 37.820"、W98 28' 0.541")とし、南極点(座標:N90')まで走破するもの。しかし、実際の行程は北米内をぐるっと回るなどして、走行距離は3万3000km以上に及んだ。 通過した国はカナダ、アメリカ、メキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、コロンビア、エクアドル、ペルー、チリ、アルゼンチンの南北アメリカ大陸14ヶ国と南極だ(北極はカナダ)。 基本的にアリアによる自走で移動しているが、2箇所だけ自走していないところがある。ひとつはパナマから南米大陸に渉際。ここは通行に耐えるような道が無く、入ることも出ることもできないため、海路でコロンビアに上陸した。 もうひとつは陸続きではないアルゼンチンから南極大陸への移動。こちらは航空機で、南極大陸の玄関口にアリアを空輸している。ここから南極点まで約300kmの走行だったそうだ。 南極点に到達した後は、再びアリアを空輸するために来た道を同じ距離戻ったし、スタート前もシェイクダウンしたアイスランドから北米にアリアを運んだ時はスタート地点まで自走している。実際はチャレンジ期間以外でもかなりの距離と時間をアリアで走行したそうだ。