NISAを解約したいです。解約したらすぐに運用中の「100万円」は手元に入るのでしょうか?
NISAを利用している人の中には、運用益が出たらすぐに解約して、現金を手に入れたいと考える人もいるでしょう。緊急でお金が必要になったときに、100万円のまとまったお金があれば対応できるかもしれません。 本記事では、NISAを解約したときにどのくらいの期間で手元に現金が入るか解説するとともに、NISAを解約する際の注意点についても紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
NISAはいつでも解約できる
NISAは、いつでも解約ができる柔軟な制度です。解約とは、売却と廃止の2つの意味を持っています。保有している投資信託を手放すことを売却、口座そのものを解約することを廃止といいます。 解約の手続きでは、全体を売却する全解約と、一部を売却する部分解約があり、どちらも自由に行うことが可能です。全解約をしても基本的に口座や毎月の積立設定は残るため、必要に応じて資金確保ができます。急な支出が生じた際や、積立額が家計の負担となっている場合は、全解約や部分解約によって手元に現金を用意できるでしょう。 ただし、口座を解約したい場合や、ほかの金融機関に移行したい場合は、別途「口座解約=廃止」の手続きが必要です。NISAは長期的な運用を前提とした制度のため、口座廃止はあまりおすすめできません。
NISAを解約する際の流れ
NISAを解約して現金化するためには、運用中の投資信託を売却しなければなりません。売却手続きが完了したら、出金先の指定口座への振り込み手続きが行われます。一般的には、売却手続きから入金まで4~8営業日程度かかるとされています。土日を挟む場合は、さらに時間がかかる可能性もあるでしょう。 入金が完了した後は、指定した金融機関の口座から現金を引き出せます。運用中の100万円を引き出したいという人は、以上の流れに沿って手続きを進めましょう。
NISAを解約する際の注意点
ここでは、NISAを解約する際の注意点を紹介します。NISAを現金として引き出す際は、タイミングを見極めることが大切です。 ■必要なときに利益が少ないケースもある NISAは、いつでも引き出せる便利な制度ですが、必要と感じたときに利益が出ているとは限りません。引き出したいタイミングで市場が暴落すれば、売却した金額が元本を大きく割り込む可能性もあるでしょう。資金が減り始めると不安になり、すぐに運用している商品を売却したくなる人もいるかもしれません。 しかし、NISAは長期的な運用を意識することが大切です。投資を長く続けていれば、再び値上がりしてプラスに傾く可能性も大いにあります。そのため、長期運用を念頭に置き、引き出すタイミングを検討しましょう。 ■引き出すと複利効果を受けられなくなる NISAの資金を現金化すると、複利効果の恩恵を受けられなくなってしまいます。複利効果とは、運用によって得られた利益を再投資することで、時間の経過とともに利益が増加していく仕組みのことです。 NISAでは自由に出金できるため、利益が出たらすぐに売却したくなる人もいるかもしれません。しかし、頻繁に運用益を出金すると再投資の機会を失ってしまい、最終的に回収できる利益が減る可能性があります。 NISAを利用する際には、資金を引き出すタイミングや、長期的な資金運用についての計画を立てておくことが大切です。将来的な資金の使い道や運用の方針を考慮したうえで、利用するかどうかを決めましょう。
NISAの現金化には数日かかると考えよう
NISAは、いつでも解約ができる柔軟な制度です。ただし、NISAを解約して現金化するには数日かかると覚えておきましょう。運用している100万円をすぐに出金したい場合でも、即日手元に入るわけではないことに注意が必要です。 また、運用益が出るたびに資金を引き出していては、複利の恩恵を受けられなくなります。運用益を増やすためにも、できる限り長期的な計画を立てましょう。 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部