【仲 里依紗さんインタビュー】本作のドラマ部分が意外に大人にも響くんです
【Culture Navi】カルチャーナビ : 今月の人・今月の情報 「本作のドラマ部分が意外に大人にも響くんです」──仲 里依紗さん
グリーンベースの個性的なファッションに身を包み、全身からポジティブオーラを発するようにはつらつと登場してくれた仲里依紗さん。ファッショニスタとしても知られる仲さんが、「もちろん、今日は作品を意識して選びました」と語るのは、『映画おしりたんてい さらば愛しき相棒(おしり)よ』。同作で、映画オリジナルのキャラクター、スイセンを演じています。 「私もよく息子と絵本を読んでいましたが、『おしりたんてい』は今やほぼ誰もが知る存在。でもスイセンは、おしりのフォルムでもなく、普通の人の顔なので必殺技を出すこともオナラをすることもなく、純粋な可愛い女の子役でうれしかったですね」 【写真】トップス¥40700・パンツ¥39600/ミューラル イヤリング¥33000・ビジューリング¥16500/シトロンビジュー チェーンチョーカー¥13200・ゴールドリング(小指)¥4950/ロニ リボンネックレス¥53900(モイラエックスメル)・アームウォーマー¥38500(アクア・リクスン・スー)/イノメント
アニメーション作品に声優として何度も参加し、高く評価されてきた仲さんですが、それでもスイセン役は難しかったと語ります。 「最初はおしりくんの相棒として、元気いっぱい探偵をしていましたが、“ある出来事”があって姿を消し、10年後にまったくキャラ変して現れる。最初は恥ずかしくなるくらいキャピキャピだったのに、ファッションも雰囲気もガラッとクールに変わってしまっていて。その変化を表情や態度を使うことなく“声”だけで表すのは難しかったですね。ただ逆に声だけなので、探偵特有の長い説明セリフはカッコよくこなせましたが……」 そんなふうにスイセンが変貌した背景には、贋作すり替え事件に図らずもかかわる恩師の複雑な事情がありました。彼が抱える葛藤――才能の有無や世間からの認知は、芸術やエンターテインメントにかかわる人はもちろんのこと、承認欲求を持つ誰しもに思い当たる節があるでしょう。 「そう、このドラマはけっこう大人に響くんですよ。しかも単なる悪役ではなく、そこには寂しさもあって。その気持ちがすごくわかるし、考えさせられました。世間が“いい”と言えば本当に価値があるのか。最後は好みの問題というか。芸能の仕事も同様に、自分の表現をわかってくれる人はわかってくれるけれど、すべての人に“いい”と思われるハズはないと思いながら私もやっています」