過去最大…インフル急拡大なぜ? 09年猛威振るったA型H1N1再び…専門家「コロナ禍で免疫持つ人が激減」
鹿児島県は9日、昨年12月23~29日に89定点医療機関から報告があったインフルエンザ患者数は8580人で、1医療機関当たり96.40人だったと発表した。前週の1.47倍で、現行の統計を開始した1999年以降最多となり、1機関当たりでは全国で大分に次いで多かった。県は26日から県内全域に流行発生警報を発令しており、手洗いや換気といった感染対策の徹底を呼びかける。 【写真】〈関連〉鹿児島県内と全国のインフルエンザ患者数の推移をグラフで確認する
鹿児島県内のインフルエンザ患者は12月中旬から急増した。感染が拡大しているのは、2009年に流行したインフルエンザA型のH1N1。感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授は「新型コロナウイルス禍でインフルエンザの流行が抑えられ、この型の免疫を持つ人が激減し、子どもを中心に広がっている」と指摘する。 乳幼児はインフルエンザ脳症に注意したい。意識障害やけいれんが起き、生命にも関わる。「発症1日目に起きるケースが多い。けいれんがなくても、視線が合わないなど意識レベルがおかしい場合は速やかに受診を」と西教授。小学生も異常行動に注意し、目を離さないことが大切という。 例年は春先にかけてインフルエンザB型が流行する。西教授は「ピークを越えたように見えるが、新学期が始まり再び流行する可能性がある。新型コロナも新たな変異株で増えつつある。ワクチン接種など引き続き警戒が必要だ」と訴える。
南日本新聞 | 鹿児島