韓国大統領府の家宅捜索、庁舎内に警察入れず 野党弾劾案再提出へ
Hyunsu Yim Jack Kim [ソウル 11日 ロイター] - 韓国警察は11日、尹錫悦大統領による非常戒厳宣布を巡り大統領府の家宅捜索を試みたが、大統領室庁舎内には入れなかった。聯合ニュースが報じた。 これに先立ち、大統領警護処筋は大統領府への捜索が行われているとするメディア報道を確認した。しかし、聯合ニュースはその後、捜査官がまだ庁舎に入っていないと伝えた。 聯合ニュースによると、警察庁国家捜査本部の特別捜査団は資料の押収や捜索の方法について、大統領警護処側と合意できていない。警察はコメントを控えている。 大統領警護処高官は「われわれは法律と過去の政府の事例に基づいて対応している」と述べ、捜索に反対しているという見方を否定した。 聯合ニュースは、警察が尹氏を容疑者として明記した捜索令状を提示したと報じていた。捜索時に同氏は大統領府にいなかったという。住居に当たる公邸は別の場所にある。 非常戒厳布告について捜査している機関の一つである高位公職者犯罪捜査処の呉東運処長は、必要があれば尹氏を拘束する「用意がある」と述べた。 尹氏は7日に戒厳令について謝罪して以来、公の場に姿を見せていない。また、戒厳令を巡る内乱罪で刑事捜査の対象になり、出国禁止措置を受けているが、逮捕されたり取り調べを受けたりはしていない。 最大野党「共に民主党」は、尹氏に対する新たな弾劾訴追案を11日に提出し、14日に採決する方針を明らかにした。同党の李在明代表は党の会合で「弾劾列車はすでに出発した。もはや止める方法はないだろう」と述べた。