軍事郵便で「合成麻薬」密輸疑い、米軍人の男女9人を書類送検…基地内の捜索で吸引器具などを押収
昨年末以降、日本での流通が確認されていない合成麻薬を密輸するなどしたとして、九州厚生局沖縄麻薬取締支所(麻取)が米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)とキャンプ・シールズ(同県沖縄市)に所属する軍人の男女計9人(いずれも20歳代)を麻薬取締法違反容疑で那覇地検に書類送検していたことが26日、捜査関係者への取材でわかった。 【イラスト】合成麻薬密輸事件の構図
捜査関係者によると、9人は昨年12月~今年4月、米国から非公用軍事郵便を使って大麻成分に似た人工化合物を混合した合成麻薬を密輸するなどした疑い。「法律違反とは思わなかった」などと容疑を否認している。米空軍特別捜査局などが基地内を捜索し、液体状の合成麻薬が入った容器や吸引器具などを押収。合成麻薬はノースカロライナ州の郵便局などから発送されていた。
昨年以降、基地内に届く軍事郵便を悪用した同じ合成麻薬の密輸が相次いでおり、昨年3~9月に嘉手納基地所属の軍人8人が密輸した疑いで書類送検された。
沖縄地区税関によると、検査で摘発した軍事郵便を使った同じ合成麻薬の密輸は1~6月で44件。2014年以降、1年間に摘発した同じ形での違法薬物の密輸件数をすでに上回っている。