被害総額10億円以上 「福岡のルパン」と呼ばれた男に判決 空き巣を繰り返し…自宅から見えた“素顔“
これまで盗んだ物の総額は10億円以上。空き巣を繰り返し「福岡のルパン」と呼ばれた男に7月2日、判決が言い渡されました。男はどんな生活を送っていたのか?自宅や親族の取材から男の“素顔”が見えてきました。
◆捜査員の間では「プロ中のプロ」
<福岡地裁小倉支部 7月2日> ◆裁判官 「名前を言ってもらえますか?」 ◆被告 「森川幸雄です」 裁判官をまっすぐ見つめる、白髪交じりの男性。窃盗などの罪に問われた森川幸雄被告(76)です。2日に判決が言い渡されました。 ◆裁判官 「被告人を懲役4年に処する」 福岡県警によりますと、森川被告は去年10月からの4カ月間で、福岡や北九州市などで発生した空き巣など37件に関与したことが確認されています。 被告について、街の人に聞いてみると「76歳でそんなにできるとは思わない、正直」「よく本当そんな動けたなと」「仕事してきて(定年になって)周りに繋がりないから、さみしさ目的なのかな」など、驚きの声が聞かれました。 一方、この被告、捜査員の間では「プロ中のプロ」、通称「福岡のルパン」と呼ばれる男でした。
1987年、森川被告は福岡県や山口県で“豪邸荒らし”を繰り返し、逮捕されます。押収されたものの中には、小型短銃のほかに、世界的な板画家・棟方志功の作品まで。 その手口は、窓ガラスを揺すって開ける「揺すり開け」というもので、ガラスに傷が残らないため、被害者の中には戸締まりを忘れていたと勘違いする人もいたといいます。 盗んだ金庫は、現金などを取り出したあと、すぐ川に捨てる用心ぶりで、被害額は6億円を超えました。 また、その10年後にも再び“ルパン”は逮捕されます。福岡や佐賀、山口を中心に712件もの犯行を重ね、被害は自治体の市長の邸宅にも。被害額は5億5000万円に達し、10年前と合わせると軽く10億円を超えていました。
警察の目を幾度となくかいくぐってきた森川被告、いったいどんな暮らしをしていたのか?逮捕前まで住んでいたという古びた一軒家に行ってみると、近所の人は「普通のおじいちゃん。おとなしい。おとなしくすーっと歩いていく感じです。かなり年がいってて、そんなことができるような人じゃない」と語りました。 さらに周辺取材を進めるとー Q.森川さんを知っていますか? ◆男性 「はい」 この男性、森川被告の親族でした。これまでに、九州や山口、島根など、森川被告が刑務所に収容されるたびに面会に訪れ、現在は自宅を管理しているといいます。取材班は、森川被告の自宅に入ることを許されました。