サンドリオン「“天使”としての自覚を再確認しました」待望の3rdシングル『Sunny Canvas』への想い
「声の力で世界に煌めけ」をコンセプトに活動する、黒木ほの香、小峯愛未、小山百代、汐入あすかの女性声優4人からなるユニット、サンドリオン。昨年、シングル『Angel Ladder』で満を持してメジャーデビューを果した彼女たちは、2ndシングル『天体図』が、TVアニメ『星屑テレパス』ED主題歌に起用され、大型アニメミュージックフェス『ANIMAX MUSIX 2023』にも出演と大きく飛躍。その勢いのまま、5月8日に3rdシングル『Sunny Canvas』を発売。今作はTVアニメ『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』のEDテーマに起用、二作連続の主題歌担当となった。今回は作品世界とシンクロしたかのような“優しさ”溢れる『Sunny Canvas』について、4人に話をうかがった。(前編/全2回) 【写真】可愛すぎる声優・小山百代の”天使スマイル” ■新旧ファンが楽しめる内容にしたかった7周年ワンマン ――3月に開催された7th Anniversary Live「7ンダフル」、素晴らしいライブでした。久々のソロメドレーに新曲披露、歌とダンスだけで魅せるタイトな内容とメジャーデビュー元年の総決算的な一日になりましたが、改めて感想を。 黒木:……メジャーデビュー一年目を締めくくるライブとは、意識していなかったかも。「とにかく楽しいワンマンにするぞ!」という軽やかな気持ちの方が私は大きかったかな。 汐入:そうだね。良い意味でライブに向けての気持ちは、メジャーデビュー前後で大きく変わっていないんです。私たちは年間のライブ本数が多いわけではないので、言っちゃえば一つひとつのライブが毎回特別で。いつも通りアットホームで楽しいライブをドリオンズ(サンドリオンのファンネーム)にお届けすることが一番だなあって。 小峯:周年ライブだからこそ型にハマらず、私たちらしさを出したいなという気持ちが強かったね。 黒木:そうね。そうした中、久々にソロメドレーを披露したのは、新しく知ってくれた方々への「私たちはこうだよ」というアピールになればいいなと思いましたし、昔から応援してくださる方には嬉しいサプライズになってほしいと思ったんです。いつも通りだけれど、古くからのファン、新しいファン、どちらにも楽しんでもらいたいなという想いは込められたらいいなって。 小峯:ラジオに「今回初めてライブに行きました。こんなに楽しいんですね」という感想のお便りが何通も来たんですよ。こうした反応が届いたときに、「メジャーデビューしたことで、知っていただく機会が増えたんだ」って実感できました。 ――小山さん、いかがです? 小山:……私、一言も話してなかったね(笑)。いやあ、感動していたんですよ、みんなが良いこと言うので。しかも、あすかが積極的に発言してくれている! これが7周年のサンドリオンなんだって。 汐入:そうだよねえ。本当に喋れない人間だったので、過去に取材していただいた記事を読むと私の名前が全然なくて。ドリオンズからも「しおちゃん、喋らなかったの?」と心配されていたんです(笑)。こういうところに7年目の成長が見えるんだ、面白いね。 ■『Sunny Canvas』は、純粋でピュアで明るさ100% ――さて、8年目のサンドリオンの第一歩を飾る3rdシングル『Sunny Canvas』がリリースされます。今作は放送中のアニメ『ワンルーム、日当たり普通、天使つき。』(以下:『ワンルーム~』)のエンディングテーマ。前作『天体図』に引き続き、二作連続の主題歌担当です。 黒木:二作連続って、幸せもんだね。私たちの頑張りを見てくださる方がいる嬉しさ、それ以上にスタッフの方の頑張りがステキなものへと繋げてくださっているおかげ。(後ろを振り返りスタッフ一同に向け大声で)本当に最高の人たちに囲まれたんだな~!って、思っています‼ 汐入:『天体図』が、(エンディングテーマとなったアニメ作品)『星屑テレパス』のファンの方に好きになってもらえて、また『星屑テレパス』を通じて私たちを知ってくれた方も増えて、そこから世界が広がりました。本当にステキな曲ばかりいただける幸せな環境にいるなあって。 ――今作は、作詞:磯谷佳江さん絵伊子さん、作曲・編曲:渡部チェルさんという、初のタッグ。メジャーデビュー以降、新たな座組での挑戦が増え楽曲の幅がさらに広がっていますが、今作も今までになく明るさを感じる曲に仕上がっていますね。 黒木:曲と歌詞を同時にいただいたのですが、最初聞いたときの感想はもう、「かんわうぃ~~! 爽やか~、キラキラしている~!」でしたね。 汐入:うん、「やっぱ、サンドリオンって天使なのか~」って思っちゃったね。 ――『Angel Ladder』発表時に生まれたハッシュタグ、「#サンドリオンって天使」が定着しましたよね。今やサンドリオン=天使は当然のことだと。 小山:だって今回、公式から出た宣伝文に「天使と縁が深いサンドリオンがまた新しい天使の楽曲を歌唱いたします」って書いてありますからね。天使のとわちゃんがヒロインの『ワンルーム~』に、天使の私たちの曲を起用していただいたのは自然の流れですよ。 小峯:天使活動を頑張ってきたおかげだね。 黒木:まあ、冗談はこれまでにして(笑)。とにかく可愛いらしさに溢れています。歌詞に、「おはよう」や「かくれんぼ」という“純粋な少女感”ワードがたくさん入っていて。『ワンルーム~』の世界観にピッタリな、優しくて温かい可愛らしい言葉が詰まっているんですよね。 小峯:各フレーズの語尾も全部可愛いんです。「ワクワクするでしょ」とか「キャッチしなきゃ」、「探してみようよ」って。ほのの言ってくれた通り、純粋、ピュア、明るさ100%な歌なんです。 小山: ヒロイン・とわちゃんの天使ゆえの無垢な感じや、天界から興味があった人間界にやってきたときの好奇心も感じられる歌詞がステキだよね。 汐入:朝、太陽が輝く中、青空の下でおさんぽしている時に聴いたら、最高に気持ちいい だろうなあっていう、爽やかさに溢れているんですよ。 ――「オリオン」を冠するグループゆえ星をテーマにした曲が数多くありますが、「太陽」という星を軸にした歌詞は、『Sun!Sun!dream on!』以来な気がします。 一同:あぁ~! 黒木:『Sun!Sun!~』は夏がテーマの、日差しがかなり強い「ガッツリ太陽‼」ですけど、『Sunny Canvas』は、「心地いいねえ~」っていう、まろやかな5月頃の天気にピッタリな太陽なんですよ。 汐入:太陽についての歌って、明るすぎちゃうと人によっては「眩しいなあ」って親近感が湧きにくいと思うんです。けど『Sunny Canvas』はAメロに「睡眠不足 滞気味の気分がちょっとずつ上がる」という歌詞があって、日常で誰もが感じる「今日は元気湧かないかも」という気持ちが所々に入っているんですよ。それがサビでは「代わり映えない日も希望はかくれんぼしてるから」というフレーズが出てきて、なんというか……「大丈夫だよ」って心をポカポカにしてくれるんです。みんなの毎日を少し背中だけでも押してくれる、可愛さも優しさもたくさんのステキな曲になっています。 ■歌唱で重要なのは「天使になりきる」こと ――天使のみなさんが歌声を吹き込む際、どんなことを意識されました? 黒木:楽曲としては穏やかなんですけど、元気で弾む感じが欲しいとレコーディング前にアドバイスをいただいて。歌入れ前のメモには「口角上げめ、明るく元気感もあっていい」って書いています。 小峯:私も、「思ったよりも明るく歌ってください!」とディレクションされて、自分の中で一番“軽やかで可愛い歌声”を意識しましたね。 小山:私は、レコーディング時、「自分は少女マンガの主人公なんだ!」とイメージしながら歌いました。 ――さすが少女マンガ好きの小山さん。ちなみにイメージしたのはどんな主人公? 小山:『セーラームーン』のエンディングで、うさぎちゃんがひたすら歩いて走っていく映像があるんです。まさにあのように、可憐で軽やかに、髪の毛が跳ねるように可愛らしいイメージで歌わせていただきました……伝わりますか? ――バッチリです!「可憐な乙女のポリシー」な気持ちだったと。 汐入:あと、「とわちゃんになりきって歌って」って言われたよね。 一同:(口々に)言われたね。 ――つまり、「天使になりきって!」と。 小山:まあ、なりきらなくても私たち、すでに天使なんですけどね! 汐入:普段通りの私たちでいいから、リラックスしながら歌いました。 黒木:ただ、こう言われたということは、「このレコーディングで、天使の自覚を持ち直しなさい!」ということだよね。 小峯:「あなたたち最近、天使でいることが当たり前になっていない?」って。 小山:そうね、天使としての自覚を再確認しましょう!というレコーディングでした……誰かツッコみなよ。 ■渡部チェルさん、私たちのこと好きですか? ――(笑)。サウンドもまるで背中に羽が生えたかのような、非常に軽快かつ爽快なポップチューンに仕上がっていますね。 小峯:バックの音が今までのサンドリオンにないタイプなんですよ。こんな可愛くてまろやかでキラキラした曲なのに、よくよく音だけに集中してみると、ものすごくカッコイイバンドサウンドになっていて。けどロック系の音でもなくて……上手く説明できないけど、ギターの音とか、すごく刺さる音なんです。 ――ギターのカッティング、ものすごくいいですよね。ベースラインも動きまくり、流麗なストリングスと、シティポップ・フュージョン・AORを通過した音は、小峯さんの言う通りこれまでの楽曲にはないエッセンスが溢れています。 小峯:「ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」で、初めて生バンドをバックに『Sunny Canvas』を披露したのですが、ものすごくカッコよさが際立ったステージになったんです。まさか可愛いこの曲で「カッコイイ!」と思うとは、自分でも信じられなくて。「これが渡部チェルさんの曲か!」って、感動しました。 汐入:今までにない曲調ではありつつ、サンドリオンらしさも感じる曲。『ワンルーム~』に寄り添いつつ私たちにしか出せない魅力がたくさん詰まっていて。なんと言いますか、歌詞・曲、全てに“天使感”が出たなあって。 ――作・編曲の渡部チェルさんは、数えきれないほどの名曲を生み出してきた名コンポーザーですが、チェルさんの印象は? 小山:もう、私の好きなアーティストさんの曲をたくさん手掛けていらっしゃる方ですので、提供していただけると聞いたときは素直に嬉しかった。チェルさんとお会いした際、「チェルさんの手掛けた曲をこんな時に聞いて、私は育ってきました」と、お伝えできて、そのおかげか心の距離を縮められました(照笑)。 小峯:あら、良い話。すごく気さくな方で、SNSにサンドリオンのことを書いたり些細な私たちの投稿にも反応してくださるんです。この前のワンマンも「ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」の配信も見ていただき、すごく温かく迎えてくださっているなあって。あまりにも毎回反応されるので、「私たちのこと、好き?」って勘違いしちゃった。 一同:(爆笑)。 小山:悪い勘違いじゃないよ。好きな人じゃなければ反応しないからさ。 汐入:うん。ファンの方に好きになってもらえるのはメチャメチャ嬉しいのはモチロン、かかわってくださる作家さんやスタッフさんに愛をいただけるのはすごく幸せだよね。 小山:そうだね。(作詞家の)やぎぬまかなさん、MVやライブ映像を撮ってくれるカメラクルー、衣装さん……私たちはかかわる方みなさんと二人三脚で前に進んでいて。そのご縁はずっと大事にしていきたいので、チェルさんもぜひこの先も、サンドリオンと一緒に歩んでもらえたら幸せですね。 ――そうですね。あらためて『Sunny Canvas』はみなさんにとってどんな曲になりましたか? 汐入:私たちの大切な新曲であり、『ワンルーム~』というステキな作品を背負う曲です。大切に歌いましたので、ドリオンズに『ワンルーム~』の魅力が伝わったら嬉しいし、逆に『ワンルーム~』を通じて私たちも知ってもらいたい……と、この曲が私たちとみんなにとって、幸せの相乗効果になってほしいなあ。