「報連相を徹底しろ」は今どき通じるのかを考えた かつてはビジネスの基本として叩き込まれたが今はどうか
大事なのは「点数を上げる」ではなく「点数を下げない」こと。退屈かもしれないが、上司は「部下の満足を増やしたい」と考えるのではなく、「部下の不満を減らそう」と考えるべきだ。 そのとき、具体的な行動としてポイントとなるのが「報連相」である。普通のことだと思われるかもしれないが、20年近く現場に入って支援をしてきたものの、報連相が徹底されている企業は意外と少ない。たかが報連相、されど報連相なのだ。 ■「連絡→報告→相談」が基本
報連相とは、報告・連絡・相談の略だ。しかし覚えるときは、「報連相」ではなく「連絡→報告→相談」の順番を守って実践するようにしよう。 まず「連絡」について簡単に解説しよう。報連相の中で、最も心理的ハードルが低く、絶対に欠かせないのが「連絡」だ。 「来週の月曜日に緊急の朝礼を行うと、メンバーに連絡しておいて」 「お客様に9時半には到着すると、連絡してくれないか」 このように上司から言われて連絡を怠ったら、間違いなく部下は叱られる。難しいことではないし、誰だってできるわけだから、ついつい連絡を忘れてしまうような人は信頼されない。
これは上司もそうだ。 ・メールはいつ返信してくれるのか ・次回の打ち合わせはどんな内容になるのか ・課長会議で決まったことは何なのか 何も連絡しない上司は、部下から信頼されない。 「そのうち連絡するから」 と言っておいて、なしのつぶての上司がいる。部下には「連絡がない!」と叱るくせに、自分は連絡を怠るのだ。 ひどいのは、あとから連絡漏れが発覚することだ。たとえば課長のあなたがいないところで、部下が部長と次のような会話になったらどうだろう。
「来月、大事なイベントがあるのに、そんな呑気なことやっていていいのか? 課長から聞いていないのか?」 「え? 来月にイベントがあるんですか? 課長からは何も連絡を受けていませんが」 「なんだと?」 おそらく部下は「いつも課長は大事なことを連絡してくれない」とレッテルを貼るはずだ。こういった基本的なことを連絡せずにいたら、上司だろうと「減点」されるに決まっている。 普段からの連絡を怠っておいて、