バウアーのDeNA復帰決まれば日本一連覇に近づくはず 三浦大輔監督と重なる“哲学”
【赤ペン! 赤坂英一】新年早々、日米でバウアーの動向に注目が集まっている。もしDeNAに復帰すれば、27年ぶりのリーグ優勝と日本シリーズ連覇がますます現実味を帯びてきそうだ。 昨年、代理人が日本の一部スポーツ紙に「日本に戻る場合はDeNAが選択肢の一番上」と明言。バウアー本人もDeNAのユニホームを着て投球練習を行い、その動画をユーチューブチャンネルで公開した上、Xで拡散するなどベイファンへのPRにも余念がない。 一昨年は5月からDeNAの一軍に合流し、10勝4敗、防御率2・76の好成績をマーク。今季開幕から先発ローテで回れば、最多勝など個人タイトルも十分に狙える。 さらにバウアーは一昨年「沢村賞を取りたい」とも発言。史上初のサイ・ヤング賞(2020年受賞)と“2冠”を達成することも夢ではない。バウアーがDeNAに戻ってくれば、単なる一投手だけでなく、投手陣のリーダーとしての役割も期待できる。一昨年の終盤はチームが苦境に陥ると、こう言って日本選手を鼓舞していた。 「僕の経験から言うと、選手の特別な能力が優勝争いの勝敗を分けることはほとんどない。(走攻守の)基本的なプレーをきちんとできるチームが最後に勝つ。特別なこととか自分の力以上のことをしようと考えなくてもいいんだ。やるべきことをしっかりやれるチームが結局は勝つんだから」 また、バウアーに教えを請いに来る投手には積極的かつ具体的な助言もしている。一昨年までのエース・今永(現カブス)から「打たれたショックが尾を引く時、どうすればいいか」と聞かれると「悩みに割合をつけるんだ」とこう答えている。 「スライダーが良くないという悩みがあったら、試合前までは悩んでいてもいい。しかし、試合に入る頃には腹をくくってスパッと割り切ることが必要だ。その方がいいピッチングができるよ」 この“バウアー哲学”で思い起こされるのは、昨年のCSと日本シリーズで三浦監督が繰り返していたキーワードである。 「ミスをしたら、その日のうちに反省しろ。しっかり反省したら、忘れて次の日に切り替えろ」 三浦監督の言葉はバウアーとまったく同じではないが、肝心の部分ではピタリと一致している。いざ勝負に臨む時、過去の失敗や不安を断ち切ることの大切さである。 そんな指揮官と助っ人がタッグを組めば、今年の三浦ベイはもっと強くなるはず。DeNA復帰が決まれば、ではあるが。
赤坂英一