チームや人事の評価を「落とす」リーダーの共通点 メンバーのやる気を奪う「残念なふるまい」とは?
つまり、ネガティブなリーダーは百害あって一利なしなのです。メンバーの立場になって、ポジティブなリーダーとネガティブなリーダーのどちらと仕事をしたいか、考えてみれば明らかでしょう。 重要なのは、あなたがどちらのリーダーになるかは、自分で選ぶことができる、ということ。どんなに自分本来の性格がネガティブだったしても、リーダーという仕事上の性格は、努力してポジティブにすることができます。それを繰り返しているうちに、自然とポジティブ思考が自分のスタイルとして身につくようになります。
すべては、リーダーであるあなたの心がけ次第なのです。 ■どうしても不安なときは ポジティブリーダーをめざすといっても、常にポジティブであり続ける、というのは不可能です。誰しも不安を拭えなかったり、ネガティブ思考に陥ってしまったりすることはあります。 そういうときは、そんな一面をさらけ出してみるといいでしょう。 普段はポジティブなリーダーが、たまに弱気な一面を見せると、メンバーは人間味を感じて親近感を覚えることもあります。
これは、「自己開示=Vulnerability」と呼ばれるマネジメント手法です。リーダーが万能感を捨て、勇気を持って弱い部分をさらけ出すことで、メンバーの心理的安全性が保たれるのです。 私はこれまで、システム開発の超トラブルプロジェクトをいくつも担当してきました。その中でも特に印象に残っているリーダーが2人います。 その2人とは、それぞれ別のタイミングで一緒に仕事をしました。 どちらのトラブルプロジェクトも、普通なら到底クリアできないような厳しい状況でしたが、2人とも、必ず成功に導くぞという強い信念を持った、絶対にあきらめないリーダーだったのです。
ただし、タイプはそれぞれ違いました。 1人は気持ちが強く、常に混乱のど真ん中に立ち、強いリーダーシップでプロジェクトチームを引っ張っていました。 そして、ときに優しく、ときに厳しく、プロジェクトチームのメンバーと接していました。リーダー自らが前線に立ってあきらめずに突き進んでいくので、自ずとプロジェクトチームのメンバー全員もそのリーダーを信じ、次第にチーム全体があきらめない戦闘モードになっていくのを肌で感じました。