英国の巨漢馬チャリン躍動 『調教は動かない』前評判を覆す「仕上がりは非常にいい」ムーア確かな手応え【マイルCS追い切り】
◇13日 マイルCS追い切り(京都競馬場) 意気込みは本物だ。外国馬初のマイルCS制覇を目指す英国のチャリンが京都競馬場芝外回りコースで追われた。ムーアを背に1200メートルのスタート地点からスピードアップした514キロの巨漢馬は躍動、「調教は動かない」という前評判を覆すように、ほぼ馬なりの手応えで全体時計は6F81秒1。ラストで鞍上が仕掛けると、1F12秒2をはじき出して日本でのGⅠ取りをアピールした。 「ハードな追い切りではなく、微調整。コーナリングも息遣いも良かったです。ラスト400メートルは良く伸びていましたし、仕上がりは非常にいいですね。乗ったのは初めてでも、他のレースで一緒に走ってこの馬のことは分かっています」とファーストコンタクトとなったムーアは確かな手応えを伝えた。動きを確認したヴェリアン師も「直線では手前を替えて伸びやかでいい走り」と満足げにうなずいた。 やる気も確かなら戦績も本物。今夏に英国・クイーンアンSで初GⅠ制覇を果たすと、フランス・ジャックルマロワ賞を3馬身差の快勝。前走の英国・クイーンエリザベス2世Sでも勝負根性を爆発させて三つ目のGⅠ取りに成功、勢い十分での来日だ。 「3歳最終戦(セレブレーションマイルS3着)から今年3月までの休養で非常にフィジカル面が発達しました。チャリンはスプリンターのようなスピードを持ちながらスタミナもある」と師。経験の少ない右回りについてムーアは「今朝(13日)も坂やコーナリングをうまくこなしてました。ヨーロッパでもサンダウンやグッドウッドなどで(右回りの)経験があるので問題ないでしょう。日本のレースや馬場に適性があることを願う」と分析した。 ここがラストラン。すでに種牡馬入りが決まっている。「ヨーロッパのマイルで頂点を極めましたが、日本人である私の妻からの進言もあってこのレースはずっと前から検討していました。ヨーロッパのチャンピオンホースの走りを楽しみにしてほしい」と師。英国からやってきたダークエンジェル産駒の芦毛。日本馬にとって脅威な存在だ。 (大野英樹)
中日スポーツ