“服役経験のあるカリスマ主婦”マーサ・スチュワートの成功と挫折と再生。Netflixドキュメンタリー『マーサ』が面白い!
“シャーデンフロイデ”とは、ドイツ語で「人の不幸は蜜の味」という意味。この言葉をアメリカで最も成功した主婦、マーサ・スチュワートの栄光と衰退のドキュメンタリー『マーサ』を観て思い出しました。なかでも成功した女性の失脚は、聴衆たちの大好物ですよね。 【写真】70代なのに「セクシーすぎる」と話題に。“カリスマ主婦”マーサ・スチュワートのプールサイドの写真がイケてる!(写真2枚) 学生時代にモデルとしても活躍していたマーサは、19歳のときにアンドリュー・スチュワートと出会い恋に落ちて結婚。その家事に対する愛情と完璧主義から「主婦のカリスマ」として注目され、初の著書「エンターテイニング」がベストセラーに。
さらに自分の名を冠した雑誌『マーサ・スチュワート・リビング』を発行、1993年から2004年まではライフスタイル番組の司会も務めました。自身の会社を立ち上げ実業家としても注目されますが、そんな“強い女”をよく思わない層から「コントロールフリークの嫌な女」とバッシングを受け始めます。男性が同じことをしたら経営上手だと賞賛されるのに、女性だと叩かれるのはなぜなのでしょう。 世間的にはライフスタイルというジャンルで大成功を収めていた彼女ですが、プライベートでは、出版社を経営する夫は浮気三昧。40代で離婚を言い渡され、1990年に離婚成立。その後はキャリアに邁進する人生に。会社の株は公開直後から高騰し、米国で最初の女性の億万長者となります。
しかし人気絶頂の2002年、インサイダー取引の容疑で捜査を受けます。偽証罪で起訴され、2004年に有罪が確定し5ヶ月の服役。親友だと思っていた相手に裏切られ、150日間の禁固刑を言い渡されたマーサ。全裸でしゃがみ検査を受けるという屈辱を受けます。 メンタルの強い彼女はさまざまな刑務所の洗礼にも耐えて出所しますが、その後、15年交際してきた恋人に捨てられてしまいます。株価も暴落を続け、最終的には会社を売却。 しかし、2015年に転機が。ジャスティン・ビーバーがメインのバラエティ番組に出演すると、さんざん服役経験をいじられながらも、それを見事に切り返す知性とユーモアで一躍脚光を浴びたのです。