九州を舞台に高校生がロードレース、桑原悠が個人総合優勝と山岳賞の2冠|ツアー・オブ・九州
前日も積極的なレースを展開した山本溜牙が独走で第2ステージを制す
熊本県人吉市内を流れる球磨川を渡り、人吉城跡公園内を通る1。7kmの公道コースを25周回する合計42。5kmでの開催となった第2ステージ。 前日に続き積極的なレースが展開されるものの、直角コーナーが多いコースレイアウトもあってか逃げが1周回継続するような展開とはならずに集団は一つのままレースが展開される。この日はスプリントポイントが3回設定され、その3回ともに奥田煌山(中国地域選抜)がトップ通過し、この日のスプリント賞ジャージを確定させる。 終盤になっても逃げらしい逃げができないままレースが展開されると、最終周回を迎える前に山本溜牙(大阪高等学校体育連盟自転車競技専門部選抜チーム)と川分琉楓(チーム京滋)がメイン集団から飛び出し、川分を突き放した山本が独走でステージ優勝を飾った。2位には最後まで粘った川分が入り、3位には集団スプリントで先着した中尾涼介(松山学院高校)が入る形となった。個人総合リーダージャージはこの日メイン集団でスプリントし4位に入った村瀬琶音(中国地域選抜)がキープする形となり、山岳賞ジャージもこの日はKOMポイントが設定されなかったため桑原悠(中国地域選抜)がキープする形に。中国地域選抜が3枚の特別賞ジャージを独占する形となった。
個人総合成績が大きく動いた第3ステージを宮川結斗が制す
過去には全日本選手権も開催され、今年のインターハイの舞台ともなった九州では定番となっている大分県県日田市のオートポリス、1周4。7kmのフルコースを22周回する合計103。4kmでの開催となった第3ステージ。 前日にも積極的なレースを展開した川分や、村山健太朗(九州選抜)がアタックをするものの決まらず、2周回目のコース後半の上り坂で以下の9名の選手が抜け出す。 9名の選手たちは協調してペースを刻み、5周回目に設定されたKOMポイントを山岳賞リーダーの桑原がトップで通過。その後10周回目、15周回目に設定されたKOMポイントも桑原がトップで通過し、桑原はこの時点で今大会における山岳賞ジャージを確定させる。同周回完了時に設定されたスプリントポイントも山本が3回ともにトップで通過し、第2ステージ終了時点でスプリント賞を獲得していた奥田がこの日はポイントを獲得できなかったため、山本が奥田と同点および1着通過の回数も同数となり、第3ステージ終了時点での個人総合時間で上回った山本がポイント賞ジャージを獲得した。 9名の先頭集団はメイン集団に対して2分程度のタイム差をつけると、桑原や井上のペースアップによって先頭集団から遅れる選手が出始め、レース後半には先頭集団は宮川、桑原、山本、田中、井上の5名に絞られる。 19周回目に井上がアタックすると、桑原が単独で追走し、一時は2名の先頭となるも、遅れた3名が再び追いつき、5名のままで最終周回を迎える。KOMポイントまでの上りでは5名のまま進行し、コース後半の上り坂で5名がバラけると、フィニッシュライン前の直線に宮川が単独で抜け出して先頭で姿を見せる。 宮川は後ろを振りかえって勝利を確信すると、何度もガッツポーズを繰り返し、ステージ優勝を喜んだ。2位には先頭集団に復帰してみせた田中が入り、3位には積極的なレースを見せた井上が入った。個人総合時間ではメイン集団が4分30秒程度でのフィニッシュとなったため、順位が大きく入れ替わる。個人総合リーダーは桑原となり、この日逃げ切った5名がそのまま個人総合でもトップ5につく形となった。