【老後2000万円問題】ウチはいくら?「国民年金・厚生年金」の年金額から考える老後対策
国民年金・厚生年金の受給額
では、2024年度の国民年金と厚生年金の受給額はどのくらいなのか確認していきましょう。 厚生労働省は、2024年度の年金額は2023年度よりも2.7%の引上げとなると発表しました。2024年度の年金額の例は以下の通りです。 ※1 老齢基礎年金 満額1人分 ※2 夫婦2人分の老齢基礎年金と厚生年金の標準的な年金額 国民年金は満額で1人6万8000円となり、厚生年金は夫婦2人で23万483円となっています。 なお、厚生年金のモデルケースは平均的な収入で40年間働いた場合に受け取れる年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))です。 それぞれ年額に換算すると、国民年金は81万6000円、厚生年金は276万5796円です。 ●老後の生活費は年金だけではカバーしきれない 1ヵ月の生活費は年金だけでカバーできるのか、総務省の「家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要」を元に確認していきましょう。 同調査報告によると、65歳以上夫婦のみ世帯の1ヵ月の消費支出は23万6696円です。前章の平均的な年金受給額は23万483円なので、約6000円不足する計算になります。 月々6000円の赤字なので1年間では7万2000円が不足する可能性があります。20年間では144万円が不足し、30年間では216万円が不足する計算です。 しかし、これは日常生活に必要な金額であり、ゆとりある生活を送るにはさらに高額な資金が必要になることが考えられます。 生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(2022年度)」によると、夫婦二人でゆとりある老後生活を送るには1ヵ月37万9000円が必要という結果が出ています。平均的な年金受給額よりも約14万9000円多く必要です。 もちろん、年金受給額や老後のライフスタイルは世帯により異なるため一概にはいえませんが、年金だけではゆとりある老後生活を送るのは難しいと考えられます。いざというときに切り崩せる貯蓄が多い方が、老後の経済的な不安が少なくて済むでしょう。