企業版ふるさと納税、初の取り消し 福島県国見町、寄付に見返り 内閣府
内閣府は22日、自治体の地方創生事業に寄付した企業が税優遇を受けられる「企業版ふるさと納税」に関し、寄付した企業側に見返りを与えたとして、福島県国見町の事業認定を取り消したと発表した。 同制度を活用した自治体の事業で認定が取り消されるのは初めて。今後町に寄付しても優遇措置は適用されなくなる。 町は2022年、ネット関連企業のグループが寄付した計約4億円を原資に、高規格救急車を開発、近隣自治体にリースする事業を計画。防災食品会社「ワンテーブル」(宮城県)に業務を委託し、同社は寄付企業の子会社「ベルリング」(東京都)に救急車の製造を発注していた。 内閣府は、町職員は寄付企業の子会社が受注する可能性が高いことを認識しており、発注手続きに問題があったと認定。内閣府令が禁じる寄付に対する利益供与に当たると判断した。事業は町議会などで問題視され、中止となっている。