【高校サッカー】吉原・大沢未波&大沢蒼生兄弟がセンターライン支える「集大成のつもりで戦う」
高校総体サッカー静岡県大会が11日に開幕する。東、中、西部の各地区大会を勝ち抜いた30校と、プレミアリーグWEST所属の静岡学園などシード6校を合わせた計36校がトーナメント方式で頂点を争う。東部地区大会を勝ち上がり、22年ぶりの県大会出場を決めた吉原は初戦で浜北西と対戦。主将のMF大沢未波(みなみ、3年)とMF大沢蒼生(あおい、2年)の「大沢兄弟」がチームを引っ張る。 ◇ ◇ ◇ 2人の大沢がセンターラインを支える。兄の未波は不動のボランチ。積極的にボールを受け、攻撃のリズムをつくる。弟の蒼生はMF登録だが、主戦場はセンターバック。ともに「欠かせない存在」と、互いの能力を認め合い、チームプレーに徹している。 サッカーを始めた小学校からのチームメートで、10年間同じピッチに立ってきた。主将で最上級生の未波は受験勉強が控えているため、総体後に引退。兄弟として戦うのは今大会が最後になりそうで「今のチームメートと1試合でも多く戦うことが目標」と引き締める。最終ラインで支える蒼生は兄の影響でサッカーを始め、その背中を追い続けてきただけに、「(2人の)集大成のつもりで戦いたい」と力を込める。 チームは東部地区大会を勝ち抜き、県切符を獲得。3月末まで母校清水東を9年間指揮してきた渡辺勝己監督(48)の就任が転機になった。4月から指導する新指揮官は、大崩れしない守備を構築。急ピッチで仕上げた堅守速攻スタイルが奏功し、地区大会は6戦20得点と攻守で安定した戦いを見せた。未波が「常にボールに関わるプレーを求められている」と話せば、蒼生も「より具体的な戦術を教えてくれた」と、チームの急成長に手応えを示す。 同校は登録メンバー25人中24人が中体連出身。渡辺監督も含めた全員が地元出身の「オール富士」で22年ぶりの県大会に挑む。大沢兄弟は「一戦必勝で戦う」とチームの決意を代弁した。【神谷亮磨】 ○…渡辺監督も新たな挑戦に意欲を示す。就任から約1カ月でチームを成長させ、県大会出場に導いた。母校清水東を率いた9年間では全国出場は果たせなかったものの「いい経験をさせてもらった」。地元富士での指導は富士東高以来10年ぶり。「また注目してもらえるように頑張りたい」と力を込めた。