吉村氏「党首会談はリモート」 党代表選に立候補 知事と両立に私見
日本維新の会の吉村洋文共同代表(49)=大阪府知事=は12日、大阪市内の党本部で記者会見し、党代表選(17日告示、12月1日投開票)への立候補を正式表明した。「国政政党としての存在意義が揺らいでいる。日本維新の会を立て直したい」と理由を説明した。推薦人(50人)は確保できる見通しという。 【写真特集】党代表選への出馬を表明する吉村氏 吉村氏は「次世代のための政党」「道州制を実現する政党」「永田町文化を変える政党」の3点を、党の存在意義と位置づけた。 具体的な政策に、高校授業料無償化の全国への拡大▽大阪を副首都とし、首都機能をバックアップ▽政策活動費を使った党内の飲食禁止――などを掲げた。 維新は10月の衆院選で議席数が公示前の43から38となり、比例得票も約300万票減らした。責任を取る形で、馬場伸幸代表と藤田文武幹事長が相次いで代表選への不出馬を表明、党内で吉村氏を推す声が大きくなっていた。 吉村氏は会見で、衆院選の結果について、執行部の一員として「責任を負う立場」と認めつつ、「国政政党としての消滅の危機」との厳しい現状認識から立候補を決意したと述べた。 他の野党との選挙協力について問われると、「与党の過半数割れを目指すべきで、政策実現のため、野党で『予備選』をやってもいい」との見解を示した。府知事との両立については、党所属の国会議員を共同代表に指名し、党首会談もリモートで対応するとの私見を述べた。 吉村氏は弁護士で、2011年の大阪市議選で初当選し政界入り。衆院議員、大阪市長を経て、19年4月から大阪府知事。20年11月からは地域政党・大阪維新の会代表、22年8月からは日本維新の会共同代表を務め、25年大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会の副会長でもある。 代表選を巡っては、金村龍那衆院議員(45)=比例南関東ブロック=が12日に出馬表明。「維新は改革や全国政党化への歩みを止めない。関東の人材も声を上げていく必要がある」と訴えた。推薦人の確保にメドが立ったと説明しており、選挙戦となる見通し。 他に、松沢成文参院議員(66)=神奈川選挙区=が立候補を目指す考えを表明、空本誠喜衆院議員(60)=広島4区=も意欲を示している。【東久保逸夫、鈴木拓也、田中裕之】