南ア総選挙、与党ANCは過半数割れ-競合政党との連立工作開始
(ブルームバーグ): 5月29日投票が行われた南アフリカ共和国の総選挙で与党・アフリカ民族会議(ANC)は得票率が約40%に低下し、アパルトヘイト(人種隔離)撤廃で当時のANC最高指導者だった故ネルソン・マンデラ氏が1994年に大統領に就任して以後、同党にとって最悪の結果となった。
ANCは連立政権の樹立に向け、ライバル政党との協議を開始した。南ア選挙管理委員会は6月2日、ラマポーザ大統領率いるANCは議会(定数400議席)で159議席を獲得したと発表。5年前の前回選挙で確保した230議席を大きく下回った。
南ア、5月29日に総選挙-与党ANCは過半数維持に向け厳しい戦いに
得票率の大幅低下の背景にあるのは、長年にわたる経済面の失政と政治腐敗に伴う高い失業率と低成長だ。ANCは政権にとどまるため対立してきた政党との連立に動かざるを得ない公算が大きく、南アは未踏の領域に足を踏み入れることになる。
ANCのフィキレ・ムバルラ事務局長は2日、最終結果が発表される前の記者会見で、「われわれはあらゆる人たちと話している。連立は結果であり、過半数を確保できない場合はそうするものだ」と述べた。
総選挙では民主同盟(DA)が87議席を確保し、最大野党の座を維持。ズマ前大統領率いる新党「民族の槍(やり)」は発足からわずか半年で58議席を獲得し、第3党となった。ANCが失った議席の大半をズマ氏の政党が確保した。
憲法に基づくと、南ア議会は議長と大統領選出に向け選挙結果発表から14日以内に招集されなければならない。
原題:South Africa’s ANC Courts Rivals After Election Humiliation(抜粋)
--取材協力:Ana Monteiro、Monique Vanek、S'thembile Cele、Alister Bull.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Amogelang Mbatha, Ntando Thukwana