【香港スプリント】香港の〝新怪物〟スプリンターは34年前のジャパンCを制した名伯楽の管理馬
[GⅠ香港スプリント=2024年12月8日(日曜)3歳上、シャティン競馬場・芝1200メートル] 前走のGⅡジョッキークラブスプリントで後続を3馬身半ちぎる衝撃的なレコード勝ちを演じ、香港スプリントで圧倒的な人気に推されそうなカーインライジング(セン4・Dヘイズ)。6日はオールウエザーコースで速めのキャンター調整を行った。ヘイズ調教師は「状態は問題ないですね。馬もわれわれもハッピーな状態にあります」と状態面に問題がないことを強調する。 前走はほぼノーステッキ。ゴール前では鞍上のパートンが馬場内のカメラに向けて手を上げるパフォーマンスを見せていただけに、マックスの出力でなかったことは間違いない。それでいてセイクリッドキングダムが持っていたレコードを17年ぶりに更新。まだ底を見せていない怪物だ。 そんな同馬は今回が初のGⅠ挑戦だが、陣営は早くも来年を見据えた計画を始動させている。ヘイズ調教師は「クラシックマイル(2月2日=シャティン芝1600メールト)から、スプリントへ戻して、シドニーで開催されるジ・エベレスト(10月18日=ロイヤルランドウィック芝1200メートル)へ挑戦することを考えています」。高額賞金で知られるオーストラリアの一戦をターゲットにしつつ、可能性を広げるべくマイル路線への挑戦も視野に入れていると明かした。海外遠征も含めたプランを戦前に明かすあたり、ここは通過点という並々ならぬ自信がうかがえる。 そのヘイズ調教師は62歳。今をさかのぼること34年前、1990年のジャパンCを制したベタールースンアップのトレーナーでもある。オーストラリア調教馬として今なお唯一となるジャパンC勝利を成し遂げた当時は28歳。その後、香港で開業し、一度はオーストラリアに戻ったものの、再び香港に拠点を構えてこの大物スプリンターを育てた。 今回は日本以外にもイギリス、オーストラリアから名うてのスプリンターが参戦するが、現状の充実度ではカーインライジングが断然の存在。底を見せることなく上昇し続ける香港の新星が、ここも衝撃的な走りを見せるはずだ。
東スポ競馬編集部