トランプ氏、駐中国大使にパーデュー氏指名-関税交渉の重要な調整役
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領は、元上院議員のデービッド・パーデュー氏を次期駐中国大使に指名し、同氏も受け入れた。企業経営者から政界に転じたパーデュー氏は、次期政権にとって最も重要な外交ポストの一つを担うことになる。
トランプ氏はトゥルース・ソーシャルへの5日の投稿でパーデュー氏について、「この地域の平和を保ち、中国の指導者らと生産的な協力関係を維持するという私の戦略実行に貢献するだろう」と言及した。
次期大統領は先月、合成麻薬フェンタニルの米国への流入を食い止める対応を中国が強化しない限り、同国からの輸入品に10%の追加関税を課す方針を表明。中国製品への60%の関税適用を含むより強硬な対中アプローチの採用をトランプ氏は大統領選で公約に掲げた。
駐中国大使は、米中の関税交渉での重要な調整役となる。ディスカウント小売りチェーンを運営する米ダラー・ゼネラルの最高経営責任者(CEO)をかつて務め、シンガポールや香港での経験も持つパーデュー氏は、豊富な実績を生かすと期待される。2019年の論説では、米中関係が「不信」の時代に陥る危険に警告を発していた。
トランプ氏は、マルコ・ルビオ上院議員を国務長官、マイケル・ウォルツ下院議員を国家安全保障担当大統領補佐官に指名するなど、外交・安全保障の要職を対中強硬派で固める方針だ。
一方、次期財務長官にはウォール街のベテランで、マクロヘッジファンド運営会社の経営者スコット・ベッセント氏が起用されるが、同氏と共に今回パーデュー氏を選んだことで、次期政権で対中政策に関与する閣僚らの顔触れに穏健で、ビジネス寄りのセンチメントが幾分加わることも期待される。
原題:Trump Taps Ex-Senator David Perdue for Ambassador to China (3)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Nurin Sofia