田んぼの真ん中の「ワケあり」物件、民泊施設に転換して若者呼ぶ 栃木県、5年前に移住した夫婦の奮闘【地域再生大賞・受賞団体の今】
▽家族が暮らせる売り上げに 24年3月末までに4軒で延べ約5300人泊を受け入れた。 「何でこれほどの人が来るのかなと思うけれど、需要があることは分かった」と大樹さん。 移住後に生まれた長男、長女との4人暮らしで「一つの家族が地方でそれなりに暮らしていける」だけの売り上げを確保できるようになった。 ▽大都市暮らしに違和感 大樹さんは新潟県長岡市、史織さんは静岡県沼津市出身。同じ金沢大大学院で物理学を学び、修了後にそれぞれ神奈川県で就職した。 しかし、大都市での暮らしや働き方に違和感を持つようになり、縁あって2人で小山市に移った。 ▽地域とつながる 民泊施設が多くの若い人を呼んでいることに近隣の住民から驚かれ、「頑張ってるね」と声がかかる。 一時期は農家が宿泊者向けに地元の野菜を使った弁当を提供してくれていた。村山さん夫妻は「空き家と地域とのつながりを作れたことがうれしい。長く使われていない空き家を少しでも減らし、人が集まる明るい場所に変えていきたい」と意気込む。
ダイバーステイは、47の地方紙とNHK、共同通信が各地の地域づくりを応援する「地域再生大賞」の2022年度の優秀賞に輝いた。地域再生大賞は24年度に第15回の節目を迎える。