北朝鮮からの思わぬ攻撃? 「ゴミ入り風船」の中身は、韓国側も対応にてんやわんや
2024年5月28日、北朝鮮が韓国に向けて汚物やゴミなどを入れた袋を風(以下、ゴミ風船)船につけて大量に送った。それらが翌29日、韓国全国に落ちている。ゴミ風船とその残骸が見つかった地域では、ちょっとした混乱が生じている。 【この記事の他の画像を見る】 大きさ3~4メートルほどの白い風船の中には、糞尿をはじめ紙くず、ゴミ、肥料と推定される汚物などが入っていた。 ■タイマーや起爆装置も ゴミ風船による被害はまだないが、ゴミ風船の中に何が入っているのか見ただけでは判別が難しく、中にはタイマーや起爆装置などがついているものもあり、市民の中には恐怖と不安を感じている人もいる。
さらに、韓国当局が国民に向けた災害用のお知らせには、「野外活動を自粛し、発見した場合は軍隊に報告する」という表現があるだけ。「開封してはならない」といった、最も大事な内容が含まれていなかったことも、問題になっている。 そのため、爆発物などの危険物質が入っていたら、大きな被害につながりかねなかったという批判が出ている。こういったゴミ風船など未確認の物体に備えた危機管理対応マニュアルの教育や案内を受けた市民もおらず、マニュアルがあっても有名無実だという指摘も出てきた。
飛ばされたこの風船は、ソウル首都圏や江原道などに続き、韓国南部の慶尚南道と全北特別自治道(旧・全羅北道)などでも発見された。ほとんどが白い風船の下に肥料やゴミなどの汚物が入っている袋が付いている形だったが、中身がないものもあった。 韓国軍合同参謀本部と警察などによると、風船は5月29日、外交省庁舎、予備軍訓練場、小学校前の道路、中学校の運動場など全国各地で発見された。 ソウル市鍾路区内の小学校付近で汚物風船が破裂する音を聞いたというチョさん(67)は、「昼食を食べて外に出てくる途中にポンという音がして走ってみると、風船が破裂していた。もしかしたら化学物質や体に有害な物質が入っているかもしれないと思い、すぐにマスクを着用した」と話した。