Laura day romanceが2024年第2弾シングルをリリース「これだ!って思ったんです。これがシングルになるんだなって」
──という話が出たのでまずは「リグレットベイビーズ」の方から話を聞いていこうと思いますが、曲のはじまりはどんなところからですか。 鈴木 自分がMPCというヒップホップとかで使われるリズムマシーンを買って、それを使った曲を作りたいっていうところからスタートしているんです。ヒップホップっぽいビートみたいなものがスタートにはあって、それにメロディをつけていった感じかな。 ──このリズムへのこだわりというのは感じました。その打ち込みだったものを生のドラムに置き換えていった感じですか。 鈴木 割合はどれくらいにしたんだっけ? 礒本 全部を録ったわけではなかったかな。重なってる部分もあるけど、鳴っているところは生のドラムの感じで。でも大変だったよね(笑)。MPCで作っているから、本人はトラックを何個か重ねているんです。両手を使って打ち込んでいるんですけど、それを楽器で演奏するとなると、2トラックあるものをひとりでっていう感じになるので。もうちょっとドラムのことを考えてくれって思いながら──まあでもこれはLaura day romanceの制作ではあるあるですけどね。 井上 そういうことを言ってないのを、聞いたことがない。 鈴木 各インタビューで一回は言ってる。 ──言ったとて次に生かされるわけではないと(笑)。 礒本 それに慣れちゃってる自分もいるので。 ──デモ段階でその曲でやりたいことを詰め込んでおくことも大事ですしね。それが合わさった結果、この浮遊感も感じる、何っぽいとも言えないビートが完成している。 鈴木 そうですね。ゴリゴリに、ヒップホップ的にかっこいいビートを作りたいと思っていたわけではなくて。“やってみたよ”感じゃないですけど。自分に残っているアマチュア感みたいなものをいい具合に落とし込めたらなというのは思っていたんです。 ──中盤でラテンっぽいパーカッションが飛び込んでくるのをアクセントに、後半はよりギターが濃厚になっていく展開の妙というか、複雑な曲でもありますね。 井上 複雑なのに一貫して浮遊感があるポップさというのがずっとあるのが、私的には好きポイントだなって、今曲を思い返して気づきました(笑)。 ──最初に「リグレットベイビーズ」がきたときは、井上さんはどう思ったんですか。 井上 これだ!って思ったんです。これがシングルになるんだなって。 鈴木 本当に!? 井上 ただ制作している間にも、いろいろ変わっていった曲でもあるんですよね、1Aのところを変えようとして、それがそのまま2Aになったりとかもしたし。 鈴木 パーツはいろいろ組み替えている曲かもしれない。 井上 最初はそこまで複雑ではなかったんですけど、でき上がったらめっちゃ複雑になっていて。なんていうんだろう……パラレルワールドのピンク色の空の下みたいなところを歩いてる感じになるんですよね、聴いていると。 鈴木 トリップしてる、大丈夫? 井上 してない(笑)。でもそういうイメージで歌えるから楽しいんです。 ──寂しさを抱えながらも、どこか付かず離れずのような関係性が描かれる、この歌詞テーマとなったのはどういうものですか。 鈴木 これは珍しく音楽について歌っているというか。音楽を拠り所にする人たちに、どういうふうに音楽があるんだろうとか、ライブハウスとかクラブとかもそうですけど、そういうのがみんなの生活のなかでどういうふうに存在してるのかみたいなことを考えていて。この曲のビート感とか歌のテンション感とかに合う言葉を探していったら、自然とそういうテーマになっていったのかなという感じですかね。 ──何かそこには自分たちが奏でる音楽への願いも含まれていたりするんですか。そういう存在でいたいとか。 鈴木 そういうわけではないかもしれないですね。自分たちがこうありたいというのではなく、自分たちとリスナーたちとの共通項というか。こういうものだよね?っていうのが自分のなかであって。それを共通の話題にしているというイメージですかね。 ──自然と出てきたということでしたが、なぜそういうことが歌となって出てきたんでしょうね。 鈴木 作業しすぎていたんですかね(笑)。同時並行で何曲も作っていて、ものすごいガーっと煮詰まってやっていたときだったので。やっぱり自分が思っていることじゃないと、書けなくなっていたかもなとは思うんですけど。この時期の曲は、何かの世界観を構築していくというよりは、自然と自分のなかにある言葉を選んでいって、という感じになっていたと思いますね。 井上 年々、迅くんの歌詞が生々しくなっていく感じがあるというか。それが私はいいなと思っていて。初期の曲が悪いということではないんですけど、初期の曲よりもだいぶ入り込みやすくて。それはきっとお客さんも一緒なんじゃないかなと思うので。それが今のライブの規模であるとか、聴いてくれる人の大きさにつながっているんじゃないかなとは思うんです。