能登半島地震…半年続く「ビニールハウス生活」「水の問題」 被災地の「今」を取材
■家屋倒壊…断水も「寒くなる前に復旧を」
1月に撮影された珠洲市の映像です。地震に加え、津波による被害も受けました。あれから半年、街の様子はどうなったのでしょうか。 元日から時が止まっているような光景が広がっていました。市内では、「水の問題」が続く場所もあります。 珠洲・片岩町 川端昇区長 「水道施設が被災していますので、こちらの方は、断水状態になっています」 14世帯25人が生活を送るこの地区では先月26日、ようやく給水タンクに生活用水が入りました。ただ、水道復旧のメドは立っていないといいます。 川端区長 「寒くなる前、少なくとも11月ぐらいには復旧してほしいなと」
■かき養殖再開「感謝で生きたい」
それでも復旧・復興に向け、一歩一歩前に進んでいる被災地。穴水町の海沿いでかきの養殖業を営む、馬道百合子さん(82)。今年1月、馬道さんを取材していました。 馬道さん 「これが船。桟橋も、ガタンと津波で。こんなふうに落ちたんよ、津波の仕事」 桟橋が崩壊し、海に出られない状況でした。 馬道さん 「大変なことを乗り越えて、頑張らにゃと思って眺めてるわけや。諦めない」 養殖再開への思いを語っていた馬道さん。あれから半年、馬道さんの桟橋は直っていませんが、同業者のものを借りて、養殖を再開していました。エンジンをかけ、海へ出発です。 馬道さん 「今ここ行くとね、これが私のイカダ。ここに(かきが)入ってるの」 そして、大きなかきが、豊かな能登の海から姿を現しました。 馬道さん 「これこれ、こういうふうに。こんなふうになっとるんですよ」 ここまで成長するには、2年かかるといいます。養殖を再開した馬道さんの今の思いは? 馬道さん 「地震を通じてね、すごく身に染みて日ごろのありがたさが倍増して。やっぱり、ありがたいなあ…。本当に、ただおることが本当にありがたいと思ってね。来る日も来る日も、そんなこと思い返してね」 「(Q.仕事している方が楽しい?)やっぱり張り合いがあるし、電話の向こうのお客さんの顔が浮かばれて、その思いに引かされて。それで、こちらも体が動いてくれるんですね」 「あと3年は養殖の仕事を続けたい」と話す馬道さん。今後については、こう話します。 馬道さん 「新たな一日が始まるが、それを味わいながら感謝、感謝で生きたいなと思っています。よく考えても考えても、それしかないわ」