「暴れん坊将軍」17年ぶりの復活に心を揺さぶられる思い これが“年を取る”ということ?
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 俳優松平健(71)の代名詞でもある「暴れん坊将軍」が年明け1月4日、テレビ朝日ドラマプレミアム「新・暴れん坊将軍」として放送されることになった。実に17年ぶりの復活だ。 【写真】「新・暴れん坊将軍」の松平健 真田広之が徳川家康を演じた米国ドラマ「SHOGUN(将軍)」がエミー賞で歴代最多18冠を達成したが、日本の将軍も黙っているわけにはいかない。というわけではないだろうが、日本の元祖将軍ドラマがお正月に放送されるのは、何だかワクワクする。 松平さんには何度か取材する機会があった。だが、実は記者にとって取材困難な方でもあった。記者の取材力がないのかもしれないのだが、質問には基本的に「そうですね」となり、会話が広がることがなかったのだ。 今年9月、文京区の交通安全イベントのトークショーで、MCを務めた元テレビ朝日アナウンサー保坂正紀さんが、同様の思いを披露した。「自分だけではなかったんだ」と、胸をなで下ろしたのは記憶に新しいところだ。 「暴れん坊将軍」の放送開始は1978年(昭53)。当時まだ小学生だったが、両親が時代劇大好きで、欠かさずに見ていたのを覚えている。砂浜を白馬で駆け抜ける姿がかっこよかった。つまり「暴れん坊将軍」は、幼少期に刷り込まれた時代劇でもあるのだ。 そして、なぜか縁もある。現在記者はバツイチだが、その昔の結婚式での事。会場を1度退出する際のBGMが、がちのサプライズで「暴れん坊将軍」のテーマ曲だった。その理由は定かではないが、当時の記者が周囲には“暴れん坊”と映っていたのかもしれない(笑い)。 また、釣り記者時代は朝が早いため、テレビを付けても各局、通販番組しかやっていない。だが、同局だけは「おはよう時代劇」(月~金曜午前4時)で「暴れん坊将軍」を再放送していた。そして、それは現在も続いている。 今年デビュー50周年を迎えた松平さん。NHK連続テレビ小説「おむすび」では、主人公米田結の祖父として“おもしろおじいちゃん”を演じたが、やはり記者にとっての松平さんは徳田新之助であり、徳川吉宗なのだ。 地上波における時代劇は、もはや絶滅危惧種だ。それだけに、正月に時代劇を見ることができるのは、日本人として心が揺さぶられる。正直、若いころになかった感情だ。これが年を取ると言うことかもしれない。少しだけ、そう感じている。【川田和博】