セブンの「7NOW」、事業拡大へ クイックコマース支える配達員はギグワーカーも
セブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)は2024年度中にお届けサービス「7NOW(セブンナウ)」の実施店舗を全国に拡大します。7NOWは専用アプリから注文された商品を、最寄りのセブン実店舗から即時配達するクイックコマース(Qコマース)です。商品面では「出来たて」を拡充し、外食産業に切り込む構えを見せています。さらにギグワーカーを取り込むことで、懸案となっていた配達員不足を解消できる見通しが立ちそうです。セブン流マーケット開拓の手法とラストワンマイルの仕組みづくりを見ていきます。
7NOW(セブンナウ)とは クイックコマースにニーズ
7NOWは、セブン-イレブンのお店の商品をスマホで注文、最短20分で届ける配達/宅配サービスです。 セブン‐イレブンは「7NOW」を次世代の成長戦略として店舗への導入を進めています。2024年7月時点で約1万2000店舗に推奨しており、2024年度中の全国展開を目指します。 お届けサービスの導入は、フランチャイズ加盟店の意思に委ねますが、配送は外部の業者が受け持ち、店舗はピッキング作業で済むため、特殊な立地(駅ナカ)を除いて、ほとんどの加盟店が参加するものと見られます。 サービスの始まりは2017年に北海道の一部エリアでスタートした「セブン-イレブンネットコンビニ」です。当初は最短のお届け時間が注文から2時間以降で、配達時間を1時間ごとに指定できる枠を設けていました。 そこで明らかになったのは、お客のほとんどが最短時間のお届けを希望したということです。ネットスーパーが計画購入なのに対して、7NOWにお客が期待したのはQコマースであることが鮮明になったのです。 2022年2月にはサービス名称を「7NOW」に変更。これまで7NOWでは、リアルタイム在庫連携を活用した約3000アイテムの品揃えや、最短20分での配送、ドローンやロボットといった配送手段の実証実験などを経て進化してきました。