「若いころはしていましたが、今はないですね」飼育員さんが明かす、動物園のパンダが高齢になってやめたこと
栄養剤とパンダミルク
この頃は手厚い治療のおかげで、体調も安定していたタンタン。あらたな栄養補給として、公式ツイッターで水に溶かすタイプの栄養剤が紹介されていました。 栄養剤について、タンタンの健診も担当している獣医師の菅野係長にうかがうと、「もともとは人間用で、粉状のものです。食事だけでは十分な栄養がとれない場合などに使用します。当園では、哺乳類や鳥類などに栄養補給の目的で使用しています」と、教えてくれました。アミノ酸やミネラルが主成分で、市販のスポーツドリンクのような味がするのだそうです。 そして、同じく公式ツイッターに上がっていたのが、パンダミルク。これは赤ちゃんパンダ用の粉ミルク「パンダミルク-10」と同じものなのでしょうか。 「同じパンダミルク-10です。タンタンには、タンパク質や脂質を補う目的で使用しています」(菅野係長)。おとなのパンダも、パンダミルクを飲むことがあるのですね。しかしなぜ、赤ちゃん用のパンダミルクに着目されたのでしょうか。 「各種検査の結果から、いまのタンタンには、タンパク質と脂質を補う必要がありました。新たな食材の使用時はアレルギーなどに注意する必要がありますが、パンダミルクであればその心配もありませんし、嗜好性も高いのではないかと考えて使用しました」。栄養価が高いパンダミルクは、タンタンの栄養補給にもピッタリだったのですね。 パンダミルクと栄養剤は、タンタンの体にどう働いているのか伺うと、「栄養状態が良くなることはもちろん、血液の状態が改善され、体に水がたまるのを防ぐ効果があります」と、教えてくれました。 日頃の細やかな健診と、自身のトレーニングへの頑張りが、この頃のお嬢様の生活を支えていたのですね。 NEXT:次回は2024年12月25日(水)に、お届け予定です! ※今回のおまけ写真は、2022年1月に撮影したものです。 <動物園の基本情報> 神戸市立王子動物園 〒657-0838 兵庫県神戸市灘区王子町3-1 TEL : 078-861-5624(代表) 公式ホームページ:https://www.kobe-ojizoo.jp 公式Twitter(@kobeojizoo):https://twitter.com/kobeojizoo
二木 繁美(パンダライター&イラストレーター)