2点差からの大逆転V!なぜ静岡学園は24年ぶりの”サッカー王国”復活を成し遂げたのか?「徹底して個を育てる」
勝利を決めた直後に、永遠の恩師でもある井田前監督から「お前、男になったな」と労をねぎらわれた川口監督は、勝って兜の緒を締めよ、とばかりに優勝の余韻が残るなかで苦笑いを浮かべる。 「なぜ前半から自分たちのスタイルを出せなかったのか。たとえば相手のボランチ一人をターゲットにしたときには、その選手を倒すために2人、3人で行かなければいけないのに、前半は浅倉だけで挑んでいたんですよね。物足りないというか、クオリティーが低いというか。帰ってすぐにでもミーティングを開いて、選手たちに聞いてみたいですよ」 周囲から寄せられる、大会史上で語り継がれる名勝負との声にも満足できない。井田前監督が就任してから約半世紀。これまでも、そしてこれからも「個の育成」を追い求めていく静岡学園は、悲願の単独優勝を通過点にして、日本サッカー界でも異彩を放つ挑戦を加速させていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)