酷暑日要注意! うっかりNG行為と夏本番までに必ずやっておきたい寿命を長くするメンテナンスとは
■夏の暑さはエンジンオイルの寿命を短くする
最新車だからエンジンオイルを1年交換しなくてもいい、とタカをくくっていないだろうか。たしかに、エンジンオイル交換時期は、通常の場合、1年または1万5000kmの早いほうと推奨されている。 しかし、酷暑日などに走行した場合は、専門用語でシビアコンディションと呼ばれ、いわば想定外に近い状況。もちろん暑さだけでなく、エンジンの負荷の大きい上り坂の走行が多い、雪道での走行が多い、8km以下を基準とした近距離の使用が多い、30km/h以下の低速走行が多い、アイドリングが多い、といった走行状況がシビアコンディションと呼ばれている。 特に酷暑日に渋滞やストップ&ゴーの多い街中での走行の場合、エンジン内部で水蒸気が起き、その水蒸気は油温が上がらないと蒸発せずにエンジン内部に残るため、エンジンオイルの劣化を早めることになる。 こうしたシビアコンディションの場合、エンジンオイルの交換サイクルは、通常が1年または1万kmの場合、半年または5000kmとなるのだ。つまり、通常の半分の期間、走行距離で交換必須となるのだ。 そして冷却系も酷暑に耐え切れずにオーバーヒートを起こすこともある。ファンが故障し回らなくなったり、水温センサーやサーモスタットが壊れて、ファンが回らず、「ぷしゅー」と水しぶきを上げることになる。昔はこのような状況を真夏によくみかけたものだ。 初年度登録から7年以上経過しているクルマなら、出かける前にはクーラントの量と色、濁りなどをチェックすることも防衛策。渋滞中も時々は水温計や警告灯などに異常がないか、メーターで確認すべきだろう。冷却系のほったらかしもクルマの寿命を短くするNG行為なのだ。
■エアコンの寿命を長くするためには
オートエアコン、マニュアルエアコンに関わらず新車から3年以内のクルマに関しては、多少酷使しても気にしなくてもいいが、延命させるためには、使い方を工夫することが必要だ。 温度は最低にセットしても、風量は最大を選ばず、一段低い風量までを使うようにしたい。これによってバッテリーやオルタネーターだけでなく、ファンの電流を制御する部分の負担も減ってエアコン関連の部品が長持ちすることにつながる。 なお、エアコンの効きが弱かったり、エアコンを作動させた時に異音や振動などを感じるようであれば、エアコンのシステムがなんらかの問題を抱えていることになる。効きが弱いなら、とりあえずクーラーガス(冷媒)を補充して様子を見る。 数カ月でクーラーガスが抜けてしまうようなら修理が必要だ。そのまま放ったからしにするのは一番タチが悪い。コンプレッサーオイルが抜けて焼き付いたり、エキスパンションバルブ(冷媒を放出して気化熱を作る)が壊れて大修理につながることもあるからだ。