阪神・島田海吏、打って決めた!守って救った! 岡田監督「残しといてよかったよな」
(セ・リーグ、広島0-3阪神=延長十回、11回戦、5勝5敗1分、2日、マツダ)途中出場の男が、チームを救うダイビングキャッチに、勝利を呼び込む一打と躍動した。小幡が先制のホームを踏むと、阪神・島田海吏外野手(28)はグッと拳を握りしめた。 【写真】島田のチームを救うダイビングキャッチ 「エンドラン(のサイン)だったので、真っすぐに振り負けないようにとイメージして入れた。結果的にその後に点が入ったのでよかった」 八回、先発才木の代打で途中出場。この打席で犠打(記録は捕犠打野選)を決めると、0―0の延長十回1死一塁で打席に立った。カウント1-1から一走・小幡がスタートを切る。島内の151キロを引っ張った。痛烈な打球は右前へ。小幡が三塁へ走る。右翼からの返球は大きくそれて三塁カメラマン席へ。三塁へと到達していた小幡に本塁生還が宣告された。白熱の投手戦で、島田の〝決勝打〟が試合を決めた。 守備でもチームを救った。代打から右翼の守備に就いて迎えた九回1死一塁。菊池の打球に飛び込んだ。「一歩目は思い切りよく切れたかな」。華麗なダイビングキャッチ。全身全霊を懸けて躍動するその姿に苦しんでいた昨季の面影はない。 昨年は原因不明の腰痛に苦しんだこともあった。一からの体作りを掲げて始まったオフシーズン。その甲斐あって、今は痛みなく野球ができている。全力でプレーできることがうれしくて仕方ない。 「その場、その場で全力を尽くすことが僕にとってのできること。それがきょうはいい結果になってよかった」 全力で虎を勝利に導いた男に、岡田監督は「(島田を)残しといてよかったよな。こんな仕事しとったら先発で使うよ」とスタメン起用を確約した。島田も力を込めた。 「スタメンだろうが、後からだろうが、やることは一緒。強い気持ちを持って毎試合臨んでいきたい」 もう伏兵とは呼ばせない。チーム内での愛称『うなぎ』が、7月の上昇気流を巻き起こす。(原田遼太郎)