巨人・中田歩夢、課題の打撃は「悩みに悩みまくっている」 同期入団で「なんでも打ち明けられる」と慕う門脇の存在
【G戦士の鼓動】 巨人のファームで研鑽(けんさん)を積む選手を中心にクローズアップするウェブ連載「G戦士の鼓動」(随時掲載)。それぞれの奮闘記を描く。第14回は高卒2年目の今年3月に支配下を勝ち取った中田歩夢内野手(19)。 念願だった2桁の背番号「95」を手にして迎えたプロ2年目は、ここまで我慢の日々が続いている。打撃の調子が思うように上がらず試行錯誤を重ねる若武者は悩める胸中を吐露した。 「タイミングの取り方では、真っすぐに立ち遅れないようにしながら変化球にも対応しようとか考えたりしている。日に日に自分の中で悪くなっている気がして、悩みに悩みまくっているのが現状です」 青森・東奥義塾高から2023年に育成ドラフト4位で入団。遊撃守備とパンチ力のある打撃を評価され、今年3月に支配下登録を受けた。オープン戦で1軍の舞台も経験したが、シーズン開幕は2軍で迎えた。昨季は3軍を主戦場とし、今季は現在2軍で打率・200。「最近はいろいろ試しても何もかもうまくいかなくて、結果も出ない。(野球を)やっている以上は数字も気になってしまう。いい成績を残して早く1軍に行きたいという思いもある」と焦りが募るのも事実だ。 5月19日を最後に快音が止まった。2軍で13打数連続無安打となった際に、「タイプが同じで目標としている存在」という門脇に直接連絡を入れて助言を求めた。4学年の差だが同期入団で、同じショートを守る2人。昨季は同じ寮で生活し、1軍の試合を終えて帰ってきた門脇の部屋に転がり込んで「いろいろ吸収したい」と話し込むこともしばしばだったという。今年のオープン戦で遠征の際には、駅で待ち合わせをして新幹線で一緒に移動したこともあった。「なんでも打ち明けることができる関係」と慕っている背番号5からのアドバイスは、主にメンタル面だった。「一つの考えに執着しすぎないこと」。結果を求めて考え込んでいた心が少し軽くなった。 野球漬けの毎日を過ごす。ルーキーイヤーの昨年から「動かないと心配」とオフの日でも自主練習に励む。現在は夜の時間にウエートトレーニングを約1時間行い、その後30分ほどバットを振り込む。「短い時間で集中して」と継続することを大切に、毎日欠かさず取り組んでいる。
門脇からの助言を受けた2日後、6月5日のイースタン・リーグ楽天戦の第1打席で中前打を放ってトンネルを脱出。8日には2安打を記録して調子を上げている。「自分が活躍すれば一緒にプレーできる」と中田。目標とする先輩との1軍での共闘へ、一歩ずつ進む。(原田優介)