NCT 127中本悠太「不格好なところも、さらけだしていきたい」
K -POPは今、日本はもちろん、世界中から熱い視線を集める大きなコンテンツとなっている。エンタメ界の中心に身を置く立場として、そうした現状をどう捉えているのだろうか。 「すごく誇らしいことであり、改めてエンタメの持つ力はすごいと思っています。僕自身、正直こんなに世界のいろいろな国でコンサートをさせてもらえるとは思っていませんでしたから。僕たちNCT 127のことを実力派と評価してくださる人もいますが、そんなことはなく、もっと上手なアーティストの方ばかりだなと。日に日に、K-POPの完成度が高くなっていくのを肌で感じています」 数多くのアーティストが切磋琢磨するなかで、ソロデビューという新たな、そして勇気ある一歩を踏みだした。 「やってやるぞ、という気持ちと同時に、壁にぶつかることも絶対にあるだろうな、とも。メンバーがいる時とは違い、もちろんスタッフさんはいますが、ひとりでアイデアを出してまとめていくので。自分の作品に対して返ってきたものの受け止め方や責任感も、より強くなるでしょうし。困難に直面した時に自分がどう対処して、次にどうつなげていくかということは楽しみであり、怖くもあります」 ソロで表現したいものを考えるにあたり、自身と向き合う時間もおのずと増えた。 「毎日毎秒、考えています。だから最近、自分から少し気をそらすために読書をするようになりました。でも、わかったのは、自分は昔から変わらないということ。生きてきた年数や経験値によって対処の仕方や、自分の見せ方は上手になるけど、持って生まれた恐怖みたいなものとは、一生付き合っていくしかないんだなと。不格好なところは隠しているとしんどくなるから、今後はさらけだしていきたい。完璧すぎるものも、あまり好きじゃないので。 ショーケースツアーのタイトルは『HOPE』ですが、“こんな俺を好きでいてほしい”という想いを込めました。ファンの方に対しては、ずっと応援してくれて、待っていてくれてありがとうという気持ちです。ひとりの人間を応援することって労力がいるじゃないですか。僕は僕のやりたいことを貫き、頑張って返していくだけですが、信じてついてきてほしいなと思っています」 中本悠太/Yuta Nakamoto 1995年大阪府生まれ。韓国を基盤に世界で活躍する多国籍ボーイズグループNCT 127唯一の日本人メンバー。2012年SMグローバルオーディションに合格し、練習生になるべく単身渡韓。その後、NCT 127のメンバーYUTAとして、2016年韓国デビュー、2018年「Chain」で日本デビュー。2024年には世界8都市19公演を回るワールドツアー【NCT 127 3RD TOUR‘ NEO CITY : JAPAN-THE UNITY’】(国内ツアーとしては26万人を動員する自身二度目のドームツアー)を成功させた。Instagramのフォロワー数は896.9万人(2024年9月24日現在)を突破し、日本人男性タレントのなかで圧倒的1位を誇る。
TEXT=重信綾 PHOTOGRAPH=SASU TE(I RETUNE REP)