かつては雑誌広告…最近〝尖り気味〟の「日ペン美子ちゃん」 ネタの探し方に変化 初代と6代目に共通点
キャラが「強め」になる理由
6代目になってからは、広告戦略も大きく変わりました。それまでメインの舞台としていた雑誌広告にはほとんど出稿せず、基本的にはXで毎週投稿する形になりました。 雑誌掲載とSNS投稿では、「ネタの探し方も変わってくる」と浅川さん。 雑誌では原稿を完成させてから発売日まで数週間から1ヶ月程度時間差があり、発売日になっても記憶に残るであろうテーマを扱う事が多いのに対して、Xでは毎週のタイムリーなネタに反応しながら漫画を制作することもあるため、「政治や社会問題を扱うことも増えた結果、キャラが強めになった」と話します。 反応が伸びたのは、数年前にタピオカの容器統一について政治家が発言した際に、それをネタとして取り上げたもの。 「服部さんはブラックジョークが得意な作家さん。一方で、命や性別、思想などを『ネタ』にはしないという点を意識しています」
2012年が「底」だったけど…
そんな美子ちゃんがPRするペン習字ですが、習い事としての需要は1990年代くらいまでは上り調子。その後、パソコンなど電子デバイスの普及により手書き文化が薄れ、下火になりました。 一番の「底」は2012年だったといいますが、「美文字ブーム」の影響を強く受け、2017年にかけて少しずつ回復していったといいます。 それをさらに後押ししたのが、6代目美子ちゃん。 現在、受講者は、2012年の倍以上に回復。社会問題に切り込む、Xでの毒舌美子ちゃんのファンと思しき30~40代の男性の割合も増えているといいます。 作者を変えながらも、長く愛され続けている美子ちゃん。 多くの世代に「あの美子ちゃんね」と知られているような存在になっていることについて、浅川さんは「昔からのファンの思いを感じつつ、これからも大事にしていくものと、変えていくものとのバランスを考えながらやっていきたい」と話します。