かつては雑誌広告…最近〝尖り気味〟の「日ペン美子ちゃん」 ネタの探し方に変化 初代と6代目に共通点
歴代で少しずつ異なる性格
そして生まれたのが「日ペン美子ちゃん」でした。 これまでに6人の漫画家やアニメーターに描かれてきた美子ちゃんですが、実は、歴代で少しずつ性格や絵柄が異なるそうで、コマ数も当初は4コマだったものが徐々に増え、現在の9コマが定着していったそう。 浅川さんによると、「初代の特徴は、一言で言うと『モテキャラ』。十数人のボーイフレンドが出てきて、『誰々君にデートのお誘いのお手紙を…』という文脈でペン習字のうたい文句が出てくる回もありました」。 「2代目は打って変わって『おっとりキャラ』でした」 「1、2代目は少女漫画の雰囲気が強く、目はキラキラ、髪は艶々でクルクルだったのに対し、3代目は三頭身キャラ。いわゆるデフォルメキャラでした。漫画で描かれる場面は、運動会など学校を舞台にしたものが増えました」 その後、4代目からはまた、少女漫画風の見た目に戻り、現在に至ります。
最近は「退職代行サービス」もネタに
現在6代目の美子ちゃんは、作者の服部さんが以前から美子ちゃんのパロディ作品を同人誌などで発表してきたこともあり、作風はちょっと〝尖り気味〟。社会問題なども風刺的に扱っています。 直近の投稿では、話題になっている「退職代行サービス」を美子ちゃんが担う設定で、「なんてきれいな字の退職届なんだ…!これは受け入れるしか…」とうろたえる企業側に、美子ちゃんが「これが90年の歴史があって先生方も超一流の日ペンの退職よ!」と決めぜりふで締める流れです。 ただ、浅川さんからすると「初代の方が毒舌がすごいよねっていうところも……」。 現在では使わない方がいいとされるような言葉を使ったり、あまりきれいとは言えない文字を「何このヘビののたくったような字」と表現したり――。 浅川さんによると、6代目を担当する服部さんが初代を見たときには、「僕、色々やっちゃってると思っていましたが、初代さんも結構やってますね」と笑っていたといいます。