群れは嫌い。世界最少NZ固有種イエローアイド・ペンギンはかなりうるさい奴
THE PAGE
機内での食事を済ませ、入国審査カードを記入しようとペンを取った。書き進めると持ち込み物のチェック項目がいつもより細かいことが気になった。 動物性でもない加工食品から、土が付着していそうなシューズ、キャンプ、ゴルフ用品など。機内でも提供された食品は持参せず機内に残しておいてくださいとのアナウンス。牧畜国だからか検疫が厳しいのかと思ったが、そのためだけではなさそうだ。 ニュージーランド、とくに野生の動物が多く見られる南島のオタゴ、サウスランド地方に向かった。
ニュージーランドの固有種であるイエローアイド・ペンギンは、世界全18種類のペンギンの中で最も数が少ない。他のペンギンと異なり、群れをなさず草木の中で隣から離れて住むのが特徴らしい。 日中、海に行って餌を取り、夕方になると陸の巣に戻ってくる。名前のとおり、眼の周囲から後頭部にかけて黄色の筋が通っていて、眼は鋭いが、単独でひょこひょこ歩いている姿はなんとも微笑ましい。 砂浜に上がってくるとしばらくたたずみ、大きな鳴き声を上げた。つがいの相手に居場所を伝えている行為だそうだ。ペンギンの中でも一番うるさい種類らしく、マオリ語で“ホイホ”(騒がしい奴)と呼ばれているのも愛嬌のある話だ。 (2017年6月撮影・文:倉谷清文) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<野生動物との共存ニュージーランド> 倉谷清文第6回」の一部を抜粋しました。